The Namesake

著者 :
  • Fourth Estate Ltd
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本棚登録 : 23
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・洋書 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9780006551805

感想・レビュー・書評

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  • これを読んだときはまだ十代だったので、主人公の若い頃にむしろ感情移入して読んでいたのですが、また自分が親の代になったときにはまったく違って見える作品なのではないかと予想しています。そんなわけでしばらく経ったらまた読みたいです。
    帰国子女、若しくは現在アメリカに住んでてアメリカ慣れしない親に悩まされている方、におすすめです!
    この人の文章は語るように書かれていて、大変読みやすいので、英語の文章を読み慣れたい人にもお勧めです。さらさらと読めます。

  • 処女短編集”Interpreter of Maladies(停電の夜に)”でPulitzerを取ったLahiriの初めての長編小説。「その名にちなんで」の題で邦訳も出ており、お正月には映画も公開されるそうです。

    インド旅行にもって行く本を選ぶにあたり、積読になっていた中から一番インドとゆかりがありそうな本にしました。

    1968年のボストン。ベンガル地方カルカッタ出身の若い夫婦に、男の子が産まれるところから小説は始まります。さまざまな事情からGogolという一風変わった名前を授かることになるこの男の子を主人公に、一家のアメリカでの生活、主人公の成長を30年にわたって追っていきます。

    こう書いて、あらすじとして間違ってはいないし、「ああ、移民の小説で、主人公や家族がアイデンティティで悩んだりするわけね」と思われたとして、まあそれも違うとはいえないんですが、でもそれだけじゃない。あらすじやジャンルで魅力を伝えることがすごく難しい小説です。細部に神が宿っているというのか。

    ちょっとしたやり取りに垣間見える、人と人とのすれ違いとか、思惑の違いを書くのがすごくうまくて、人生の中の、悲劇というほどじゃないんだけどうまく行かないあれこれを実感を持って描ける人だと思うのですが、それでも人生に対する愛情を失っていないので、読後感はほんのり暖かい。

    前作”Interpreter of Maladies”が好きな人だったら絶対お勧め。出だしの当たり、前作収録の”Third and Final continent”をふくらませて今作になったのかな、と言う感じですが、だからと言って冗長ではありません。

    もし前作を未読の方だったら、お試しとしては短編集だった前作がいいかもしれません。今作には長編ならでの魅力がありましたが、前作は短編だからこそともいえる完成度ですし、バラエティに富んでいて筆者のいろいろな面が見られるので。前作は邦訳はもちろん英語も文庫(講談社英語文庫)になっているので、値段も重さもお手ごろです。

    しみじみとしみてきて、ちょっと実家の両親に電話したくなっちゃうような小説。秋の夜長にぜひ。

  • 海外に住むインド人の目を通して、Identityの問題を見つめます。主人公と、その親の視点、両方あり。
    コルカタの、知ってる地名がたくさん出てくる。
    インド行って一週間目に読んで、またあれから一年近くたったので、再度読んでみました。
    私はこの本で、ラヒリのファンになりました。

    帰国子女の私とはまた全然違った状況に置かれてる主人公なんだけど、なんだか共感できる部分もあり。
    それ以上に、Gogolを通してAShima とAshokeを見てたら、
    自分の父母がいかに自分のことで大変な思いをしながら、その大部分を私に向けていたのに、わたしがそれを見ていなかったのかを客観的に問いかけられているようで、
    まことに勝手ながら涙が出た。
    父に連れられていた異国の地で、母はどれだけ心細いものなのか。異国で仕事しつつ家族のフォローしなきゃいけない、父はどれだけ心休まらなかったのか。
    子供は子供であることに甘えるもんだよなと、Gogolを責めたてることもできないけどもどかしい、そんな思いが湧いてきた。
    親もまた人間、ってよく言うけど、思いや感情の塊なんだってことも、もっと大事にしてあげればよかったな。と。思います。
    そういう意味で、世界各地に散らばるインド人特有の問題を、知るにとどまらない本だったと思う。

    Identityの問題が、主人公につきまとう。
    自分の由来を否定しようとするほど、他の何かになろうとするほど、さらに自分と向き合うことは難しくなるわけで。
    30すぎてやっと自分のオリジンをめくる主人公の、人生のうつろいがとてもリアルで、enchanting.  

    胸に痛い物語だった。
    父や母と、もっと話すべきだと思った。

  • 大学2年のとき、柴田元幸の講座で読んだ。

  • インドから出てきた両親の許で、アメリカで生まれ育つ青年の話。大学生のところまでは「あるある」と思いながら読んで社会人になってからは「そうだよなぁ」と読む感じ。キコクの人に(特に)お勧めです。

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