The Hare With Amber Eyes: A Hidden Inheritance

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著者 : Edmund de Waal
  • Vintage (2011年1月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・洋書 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9780099539551

The Hare With Amber Eyes: A Hidden Inheritanceの感想・レビュー・書評

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  • 作者が、代々家族で引き継がれている兎の根付を叔父から引き継いだことをきっかけに、家族の系譜を解き明かしていく作品。彼の家族はユダヤ系なのだが、豊かだった家族が、アンシュルスの中で坂を転げ落ちるように何も持てなくなっていった過程がよく描かれている。ヨーロッパでの第一次世界大戦や第二次世界大戦の様子がよく分かる。ユダヤ系の家族がヨーロッパの各地やアメリカ、そして日本に散らばり世界中で活躍していたことも驚き。そして各地でのユダヤ系の活躍ぶり(例えばウィーンでは銀行もメディアもほとんどをユダヤ系が担っていた)も、ユダヤ系への批判、差別などに繋がっていったようである。大戦について考えさせられるのはもちろん、陶芸家である作者による詳細で綺麗な描写も魅力的な本。

  • 知り合いの方にプレゼントしていただいた本です。
    著者は、陶芸家で作家ではないのですが、ケンブリッジで英語を専攻していたというだけあって、そこらの作家よりも美しい言葉遣いと豊富なボキャブラリが読んでいて心地よいです。
    彼が大叔父さんから譲り受けたnetsuke(根付け)と呼ばれる日本の骨董品にまつわる歴史と、それにまつわる彼の家系の歴史の話です。
    正直、舞台がパリから急に始まったときは、本に入り込めずに、やや辟易したのですが、一旦、彼の書き方に慣れてしまえば、まるで彼がそばで話しかけてくれているような気にもなります。
    舞台がパリからウィーンに移り、時代が第一次世界大戦・第二次世界大戦に移ると、その訥々としていながらも暖かい、謙虚な書かれ方が、彼の家系に起こったことの悲惨さを増長させて、何度か涙しました。(彼の家系はロシア系ユダヤ人の出自です)
    個人的に、共感できるような状況や考え方が多かったのもあって、あくまでも控えめに、そしてたくさんの愛情を注がれて描かれる彼のご先祖さまたちの生き方や環境に、何度も心打たれました。
    根本としては、根付けという骨董品にまつわる話なのですが、それだけではなくて、色々なことを考えさせてくれる本です。ひとがひとりでは生きていけないように、歴史の断片だけを切り取って話すことはできず、根付けという人ではないものの周りにうごめく、ひとや歴史や政治や芸術が移ろい行く様は、人間の不変性や歴史の残酷さをひしひしと感じます。

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