Chemical Secret: 1000 Headwords (Oxford Bookworms Library)

制作 : JenniferBassett  TriciaHedge  AlisonBaxter 
  • Oxford Univ Pr (Sd)
3.42
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本棚登録 : 121
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・洋書 (72ページ)
  • / ISBN・EAN: 9780194791120

感想・レビュー・書評

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  • ジョン・ダンカンは妻を亡くし、2人の子供を抱え、小さなアパートで貧しい生活をしていた。
    そこで掴んだ、塗料工場での生物学者としての仕事。これで子供たちに良いものが与えてやれるー大きな家、ボート、素晴らしい休日。
    しかし、ジョンは知ってしまう。塗料工場からの排水に毒性があることを。
    この事実を公表し対応するのか、それとも…。

    環境保護団体って、関心の薄い人からすれば、人間の生活より動物のことを重視する困った人に映ると思う。
    だって、作中に出てくるような便利な塗料があれば良いと思うから。それで収益を上げて、雇用が増えるのも良いと思うから。
    だが、それで目を瞑って見逃した不都合な真実は自分に返ってくる。

    ダンカンに返ってくるのは残酷な出来事だが、最後まで描かれていないので、自分としてはちょっと不満。
    もう少し結末まで攻めてほしいなー。
    そしてウィルソンにも罰がくだってほしい。

    今や、気候変動は間違いなく起きていて、それをどう緩和するか(温室効果ガスの排出ゼロや吸収)と、変動した気候にどう適応するか(品種改良して高温に強い作物を作るなど)に真剣に取り組まないといけない。そのような世界を残した私たちの世代の責任は重い。
    ダンカンと同じく、見ないふりして沈黙した罪。
    そのツケを払うのは、あのアザラシたちのように、自分では汚染物質など垂れ流していないし、恩恵も受けていない将来の世代である。

  • 塗料工場で、やっと職を得た生物学者ジョン。妻亡き後、一人で子供二人を育てきた。ようやく幸せを掴んだかに見えたが、工場からの排水が危険と知る。
    ぐいぐいと読ませる文章。そしてこの終わり方に、えーっと声が出そうになった。10150語。

  • 総語数:10150

  • 【概略】
     生物学者であるダンカンは、妻を亡くして以降、事業もたたみ、貧しい生活を子ども達と送っていた。若くはないため、職に就くことに苦労している彼に、自動車の塗料工場がポストを準備してくれた。工場から排出する化学物質の人体への影響を検査するというもの。かなりの好待遇に喜ぶダンカンだったが、化学物質の実験結果は非常に厳しいものであり、さらにはその結果を公に出せないことにジレンマを抱えていた。化学物質の排出が継続される中、河口に生息するアザラシに異常が起き始めた。人々は、ダンカンの娘は、それが工場から排出される化学物質ではないかと疑い始める。

    2012年08月20日 読了
    2021年09月29日 読了
    【書評】
     「積ん読の撲滅!・・・少なくとも洋書は!」と決めて、「読了=ブクログへの登録」という定義付けをしたため、久々に graded readers 的な本を。これ、昔英語を教えていた高校生の子が夏休みの宿題で読まないといけないということで自分も購入したのだよね。
     奇しくも最近、映画「MINAMATA」が封切りされた。確かダウ・ケミカルもこの本と似たような問題を過去に起こしていたと思う。先進国は、総じて「昔はヤンチャしてた」という時代というか黒歴史があるよね。それを既に通過しちゃってるから発展途上国のヤンチャについて、自分のことを棚に上げて文句言ったりしちゃう。それはもちろん、自分がやってきたことで判明したネガティブな点を痛感してるからなのだけども。
     物凄く当たり前なことを書いてしまうのだけど、購入した当時から9年経過してて、当たり前だけど英語力も up していて。だからもう・・・凄く・・・距離が近い。登場人物の感情の動きとか、そういったことが読者として鮮やかになってる。主人公ダンカンの一時の(好待遇に対する)喜びや、子ども達にいい生活を送らせることができる喜び、事実を知ってしまった辛さ、隠さないといけない辛さ・・・子ども達の反発、同僚とのやりとり・・・わかる。と同時に、graded readers だからかな?話がシンプルになっちゃってるから、凄くあっさりしちゃってて。graded readers ってのは、話もはしょったりするのかな?
     洋書に対して抵抗のある人は、こういう graded readers からスタートしてもいいと思う。楽しめると思う。

  • 総語数:10,150

    本文リンク
    https://www.d-library.jp/fukujo/g0102/libcontentsinfo/?conid=171052

    利用方法[本学生全員にID/PWを作成しています。]
    ID/PWが不明な方は、My Libraryのお知らせ「電子図書館LibrariEの利用方法について」をご確認ください。
    https://opac.fukujo.ac.jp/portal/

  • 所蔵:2F 多読本 837.7/O93/3

  • 貧しい父子家庭の環境学者が、塗料製造会社で川に流す廃棄物の安全証明の仕事を得て良い暮らしを手に入れるが、廃棄物の安全性に疑問が生まれて…という、組織の不正義のなかで何もできなかった男の悲しい物語。
    塗料会社が廃棄物を流してる川で、廃棄用パイプを無断で塞ぐ過激な環境運動に主人公の妊娠した娘と環境ジャーナリストであるその夫が参加してて、娘が溺れて川の水を飲んだことをネタに、「本当は汚染してたんでしょう?娘さんが心配でしょ?」と主人公は弁護士に追求されるんだけど、弁護士は娘とそのお腹の子を思う父の気持ちを逆手にとって卑怯だし、娘夫婦はパイプ勝手にせき止めるという犯罪行為するし、しかも妊娠中に汚染されてると自ら主張してるところに近づくし、それで逆恨みして主人公と音信不通。娘の夫についても、過激な環境運動にのめり込む人の記事がまともとは思えないんだが、ジャーナリストとしてどうなのか。まぁ、主人公は許されないことをしたのではあるが、主人公以外の登場人物がどうしようもなく、不正義に加担してしまった主人公が一番人間臭く、感情移入できるという皮肉。

  • YL3.2 / 10,150w
    240冊目/1,625,148w

  • 公害問題について書かれています。
    主人公の苦悩は現実にもありそうな話。

  • 【YL 3.2-3.4 10150w】


    職を失い貧しく途方に暮れていた男が、ある会社に雇われ穏やかな幸せを手にしたものの、産廃問題で会社と家族の間で苦悩する話。


    通院中に待ち時間を利用して読破。意外に苦もなくおもしろく読めました。

    環境保護活動家って皆こんなに過激なの!?って思うほどの無謀ぶりで自らを危険にさらし、父親にあれほどの憎しみを持つという子供たちの行動にちょっと引きました(^-^;

    結局何が言いたかったのかは、またレベルが上がった頃に再読してみたいと思います。

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