Never Let Me Go (Vintage International)

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  • Amazon.co.jp ・洋書 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9780307276476

感想・レビュー・書評

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  • 読み始めたところだそうです♪

  • 翻訳ものを以前読んでおりますが、全く記憶になく、、、
    原作ものを読む利点は、分かっているかどうかは棚上げにするという致命的欠点を持ちつつ、しっかりと考えつつ読むことにあると言い聞かせております。
    まぁ前置きはさておき、設定が神懸ってるなと。クローンという題材を持ち出しつつ、現実を確実に手元に引き付けていると思う。自分という存在は何なのか、神の存在をも想起させながらも、情緒に流れず抑制的。
    好悪分かれるところかもしれないけれど、読んでおくべき作品の一つかと。

  • 主人公の静かな語りによって少しずつ物語が明らかにされていくのですが、その惹き込み方がとても巧みで、書評どおりの「a page turner」でした。寄宿舎での集団生活を描写した部分が長いけれど魅力的で、後のパートに非常にうまく繋がっていると、読後に改めて感じました。読み終わってから2日ほどたって、この小説を読みながら想像していた風景が突然頭に浮かび、幸せな読書体験だったなあ、としみじみ思いました。

  • ああ、読むのに時間がかかった。

    表現は美しいし、画像にしても美しい情景になるんだろうけど・・・。

    うなずける世の中の事実も随所にあるんだけど。

    やるせなさすぎて。
    希望がなさすぎて。
    せつなすぎて。

    好きなタイプの物語展開ではなかったな。読ませるスタイルではあるんだけど。うー。

  • The Remains of the Dayに続き、Kazuo Ishigroを読むのは2冊目。1冊目と同じようにイギリスの歴史的な描写に触れられるのかと思いきや、時代背景が全く異なり、予想外の内容に最初は戸惑った。がしかし、彼の登場人物を淡々と語る筆致は1冊目と通じるものがあり、幾分1冊目より英文も平易に感じられ、文字はやや小さいものの読み進めることができた。主に登場する3人の置かれた状況が現代に生きる自分には想像もつかないもののため、想定外の場面の連続のはずなのだが、一人ひとりの行動や抱く心情がリアルに描かれるため、現実感もなぜか伴ってくるという、不思議な作品。特殊な文脈で使われている単語も多々あり、それがどんな意味をもって登場しているのか、想像に任せて読んでしまったため正確に内容を把握していないのかもしれないが、なんとも言えない記憶をめぐる切ない物語に感情移入してしまうことは間違いのない良書である。それにしても彼のような作品は今まで日本語でも英語でも読んだことがなく、これからも注目していきたいし、ぜひ他の作品も読んでみたくなった。

  • すごい一年前くらいに読んだ本。

    内容は繊細で残酷で昔の私好みの作品。

    同じ帰国子女っていう作者に興味を持ち読んでみた。
    イギリスに住んでいた(いる)っていうのがすごく分かるアングロサクソン、そしてジャパニーズな繊細さがある。


    内容のイメージは薄暗いロンドン郊外の曇り空。
    そして晴れることは最後の最後までなかったけど、人間の在り方やこうして自身たちの何もかもを選べるという人生というものがいかに素晴らしいかを考えさせられる一方、たとえばこういう人たちがいたらひたすらに胸を締め付けられるだろう。


    残酷だけど爽やかなエンディングで最後まで一気に読みました。

  • Even after finishing the whole story, I couldn't like the scene or fully understand its necessity.
    The interactions of the three, Cathy, Ruth and Tommy were really touching, and I think Ishiguro is super dazzling in this field.
    That's also why I cannot help wondering whether this peculiar setting was necessary. I wish the three had been born in a more ordinary situaion in his head. I know that couldn't, and if it had been so, then the three wouldn't make it as they were in the story, but I cannot help wishing so. I'll read this book again someday, I may view it in a different way.

  • 静かに心が震えた小説でした。
    回想形式の構成が見事な効果を上げているように思います。「あの時のあの出来事を今になって考えてみると」という誰もが身に覚えのある感覚、その距離感をもって描かれる過去と現在の心の襞によってより深く物語に引き込まれました。
    少しずつ明かされていく手法も巧みで、再び最初から読み返した時、また違った風景が見えてくる気がします。

  • <この本を原書で読む方へ>
    冒頭や前半でよく理解できないことがたくさん出てきますが、それは英語力の問題ではありません。徐々に明らかにされますのでご心配なく。

    <ネタバレするかも。要注意>
    読み終わった後にどんよりとした気持ちにさせられた小説でした。
    いろいろな人が絶賛していたので、勝手に「心温まる物語」だと思っていた私も悪いのですが、こんなに読後感が悪いと他の人には薦められません。でも、よくできた小説だと思いますが。

    ポイントとなることをいくつか。

    1.RuthとTommyの人間性が一番私たちの倫理に近いところにある。deferralが二人に適用されることを望んだRuthと、それを裏切られたときに感情を爆発させるTommyと。それに対して、Kathはそれほど強く望まないし、それが叶わなかったときにも失望を見せない。TommyにはKathに対する愛情が感じられるが、Kathは「愛」を知っていたのか、それも疑問。

    2.Hailshamの創設者の上から目線は本当に嫌い。まあ、たまにこういう人たちいるよね。他人を助けるふりをして、単なる自己満足で終わっているタイプが。「違うだろ!」と何度思ったことか。でも、小説の中の人たちは誰一人「違うだろ!」と言わない。

    3.この物語が淡々としているのは、おそらくKathの感情が乏しいからだと思う。諦めているというわけではなく、最初から感情がないのだと思う。次から次へとdonarを送り出してもあまり疲弊していないようだし、RuthやTommyとの別れに対しても、それほどの感情がない。(まったくないわけではないが、きわめて薄い) 一度も泣いたことがないのではないかと思っていたけど、最後の最後で涙を流す。それが彼女にとって一番の感情表現に思える。こんな彼女だから、carerとして一流なのだと思うけど・・・。

    4.ラストのシーンがこれまたすごい。英語力が微妙なのでちょっとイメージが違うかもしれないけれど、これまで築きあげてきたと思っていた人生が実は何でもなかったという無力感。ごみ、塵?平家物語の「諸行無常」を思い出させるあたりは、やはり日本人作家だからか。

    不思議な倫理観をもった人たちの下で育った子供たちの心情をここまで丁寧に描くのはすごいと思うけど、とにかく読後感が悪すぎ。
    物語の後半あたりからずーーっと落ち込んでいて、読み終わってさらに落ち込んだ・・・。

  • 人間の心の変容がとても細かく描かれていて、美しかった。でも、前半の物語の部分と後半の結末が、結びついてはいるけどそこまで強い結びつきがあるように思えなかった。読者をショックさせたいだけのように思えた。細部まで気遣いが行き届いている感じ、静かな感じがとても日本人らしいと思ったので、作者が外国育ちである事が信じられない。生まれつき日本人はこうなのだろうか。あと、英語があまりにも口語的で、読みやすいと感じる人も居るのかもしれないけど私は好きじゃない。

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