Marketing 3.0: From Products to Customers to the Human Spirit

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  • Amazon.co.jp ・洋書 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9780470598825

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  • (邦題:コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則)

    著者たちは、従来のマーケティングのパラダイムやフレームワークを大きく変化させるマーケティング3.0の波がやってきていると主張しているが、印象としては少し説得力に乏しい。

    製品志向のマーケティング1.0、顧客志向のマーケティング2.0に代わるマーケティング3.0は「ソーシャル」がキーワードになるという主張なのだが、この「ソーシャル」の多義的なイメージが一貫性を失わせている。

    例えば、全社的な視点では、会社のビジョンや価値に加えてミッションが重要になると主張されている。この文脈でのソーシャルは、「社会的」という意味で使われている。社会起業家とか社会的責任とか、そういうときのソーシャル。

    一方で、個々のオペレーションレベルでは顧客や外部の取引先とのコラボレーション(協働)が大切という文脈では、ソーシャル=「社交的、交流」。ソーシャルネットワークやソーシャルメディアといったようなニュアンス。

    それぞれ個々で見た場合には、確かにソーシャルど真ん中で説得力がある。ミッションが重要という主張も、コラボレーションが大切という主張も、正論だと思う。でも、全体の関連という視点から見ていくと、協働とミッションとのつながりが明確でない。ミッションを達成するための手段がなぜコラボレーションであるのか説明できない。

    ソーシャルというキーワードからそれぞれ個別に導きだされただけで、全体としての一貫性が考えられていないように思う。マーケティングの新しいパラダイム、フレームワークと言える段階には至っていない。

    そもそも、ミッションにしてもコラボレーションにしても、戦略論や組織論においては前から議論されてきた古典的なテーマ。なぜ今になってマーケティングでこれが言われるのかという疑問もある。なんとなく、ソーシャルメディアの流行に乗った企画なんじゃないかという気もしてしまう。

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