This Is Not My Hat

著者 :
  • Walker Books Ltd
4.06
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本棚登録 : 64
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・洋書 (40ページ)
  • / ISBN・EAN: 9781406353433

感想・レビュー・書評

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  • 絵だけ見て気にいってジャケ買いしたが、この黒の静けさがちょっと怖い絵本。

    小魚が、大きな魚が眠っているあいだに帽子を盗み出す。そして、どうせやつは盗まれたことにさえ気がつかないだろう、逃げ切ろうとする。

    テキストはたたみかけるように展開。
    「やつはたぶん長いこと目を覚まさないだろう。
    たとえ目を覚ましたとして、やつは帽子がなくなったことにさえ気がつかないだろう。
    なくなったことに気がついたとして、……」

    以下同じような調子ですすむ。
    小魚は水草のなかに隠れようとする。やがて小魚の姿は水草のむこうに見えなくなる。
    一方、大きな魚はゆっくりと小魚を探しにきている。カニが小魚の居所を密告し、大きな魚は小魚のいる水草のなかに入っていく。
    その間にも小魚はさまざまな言い訳を自分に言い聞かせる。

    最後の2ページ。大きな魚が何事もなかったかのように悠々と水草のなかから出てくる。彼は盗まれたはずの白い帽子をかぶっている。小魚の姿はどこにも見えない。

    この大きな魚はたとえ逃げ切れたとしても小魚を追ってくる罪悪感であり、テキストのたたみかける調子は、小魚がわれにかえらないための言葉の連打。
    最後、小魚が帽子を返すことなく食べられてしまうところがひやりとさせられる。しかも黒い水のなかが仄暗い心理空間を象徴していて用意周到。
    これ、子どもに読み聞かせたら怖がるんじゃないかな。

  • 小さい魚が、大きい魚から帽子を盗んでくる。
    小さい魚は、自分は逃げおおせると思っているけれど……。

    かわいらしい絵とシンプルな文章でいっけん子供向けの絵本に思えるが、一冊を通して続くくすんだ色彩や、言葉で語られないラストシーンなどから、読後にいろんなことを想像してしまう絵本。
    文章(小さい魚のモノローグ)と絵がうまい具合にリンクして多くの情報を伝えてくれる。なかなかよくできた構成の絵本だと思う。

  • 総語数:205

    やっぱりラストはブラックな衝撃。

  • 邦題 ちがうねん
    Jon Klassen三部作のお話。筆者の方が日本にいらした時に講演に行った時のお話。
    日本の子供と英語圏のこどものラストの解釈の違いや、裏表紙?背表紙?の絵の深読みの話など楽しい!
    英語だとかなりブラックな終わり方です(笑)それが良い!
    今までの絵本の常識をいろいろ変える工夫をされてるのも知らなかった。
    講演会きいてみたいな。

  • This hat is not mine .
    I just stole it.
    …と、告白しながらスーっと泳いでいく一尾の小さなサカナ。

    真っ暗な背景で、ジョーズばりの緊張感。

    キッズたちの反応見ながら読みたいぜ。

    関西弁訳の本は、ホントによく出来てるなあと。

  • 今度は帽子を盗んだ子視点。この人、帽子に何か因縁でもあるの?
    この絵本を検索した時に、最新作も見つけちゃった…って、それも帽子か!読もう。

    レモニー・スニケットのDarkのイラストを描いた人か。あの絵本も好き。

  • ◎ YL 0.4
    ◎ 205語

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