Fahrenheit 451 (マスマーケット)

著者 :
  • Simon & Schuster
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本棚登録 : 16
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・洋書 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9781451690316

感想・レビュー・書評

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  •  いつかは読みたいと思っていた有名なディストピア小説。"Fahrenheit 451 - The temperature at which book paper catches fire and burns..." という扉に書かれた文言から分かるように、本の所持が禁止された未来の社会で「焚書」を仕事にする"fireman"の話。「未来」というのがいつの設定なのかよく分からないが、"We've started and won two atomic wars since 2022!"(p.69)というのを見つけた。他のは見逃しているのかもしれないけど。
     ちなみにオーウェルの『1984』は1949年に書かれた小説で、この『華氏451度』は1953年に書かれたということなので、同時期の作品。(でもオーウェルは1950年に亡くなったけど、この本の著者レイ・ブラッドベリは2012年に亡くなったらしく、なんかまだ最近までいた人、という感じなのが不思議。)
     『1984』はそれなりに楽しんで読んだ記憶があるけど、なんかこの『華氏451度』は本当に分かりにくい話だった。特にモンターグの妻、ミルドレッドが壁?で何をやっているのか、最後までよく分からなかった。文体も独特で、andがどこまでも連なって息をつかせない感じで、初めは慣れなかったが、文体そのものには読んでいるうちに慣れてきた。"As he stood there the sky over the house screamed. There was a tremendous ripping sound as if two giant hands had torn ten thousand miles of black linen down the seam. Montag was out in half. He felt his chest chopped down and split apart. The jet bombers going over, going over, one two, one two, one two, six of them, nine of them, twelve of them, one and one and one and another and another and another, did all the screaming for him." (p.11)なんて、わりと始めの方で出てくるが、なかなかすごい描写だなと思った。同じような擬人化?で、"The open door looked at him with its great vacant eye."(p.59)というのも面白いと思った。
     あと英語の話で、"I see you came in the back door this time."(p.29)というのがあるが、これは"I saw you come..."というのと違うのか、とか思った。あと"That's water under the bridge."(p.48)「それはもう終わったこと」、という表現。初めてではない気がする。"You're the only one I knew might help me."(p.77)は関係詞連鎖で主格のwhoを省略した表現。並べ替え問題に出来そう?あとpp.149-50の"Everyone must leave something behind when he dies, my grandfather said.からの文章の一部が内容的にも完結しているし、和訳問題とかにできそう、とか考えた。"It doesn't matter what you do, he said, so long as you change something from the way itw as before you touched it into something that's like you after you take your hands away."とか、どうだろう。そして、英語の問題ではないけど、"Magazines became a nice blend of vanilla tapioca."(p.55)というのが出てきて、この最近流行りまくっている「タピオカ」がこの小説の中で出てきてびっくりする。でもこの「タピオカ」はその「タピオカ」なのだろうか、よく分からない。(画像検索したらvanilla tapioca puddingというものが出てきたが、どんなものなのかは見ても分からん)
     ということで、とりあえず話の筋は追えたけど、期待していた『1984』ほどの面白さが味わえずに終わってしまった。(20/02)

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