- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000003339
作品紹介・あらすじ
男と女の新しい関係とは。時代を挑発し続ける著者が全力投球したフェミニズム理論の総決算。
感想・レビュー・書評
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スーパー名著。
日本が誇る思想家、上野千鶴子の代表作。
労働者を搾取してきた「資本制」、
それと共に女性を虐げてきた「家父長制」。
この2つに抗する理論的枠組『マルクス主義フェミニズム』。
マルクスの知識があることを前提に話が進み、
文章や展開もかなり難解(パート1理論編は特に)だが、
パート2分析編まで読み通せばかなりの知識が身につく。
近代資本制がどのように成立したか。
その過程で資本制が家父長制と手を組み、
如何に巧妙に女性を市場外に追い出し搾取してきたか。
マルクス主義すら市場と階級闘争から見放した、
「家族」「性」という変数に挑むフェミニズム。
その未来は…
生半可な気持ちで手を出せる本ではありませんが、
ジェンダー、フェミニズムに興味がある方はぜひ。
というよりおそらく、避けて通れない本であり理論です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
天才、上野千鶴子の傑作。
家父長制により女性が搾取されていることを喝破。
戦いのフィールドを作った草分け的な一冊。
解放の思想は解放の理論を必要とする!! -
2008/11/2(〜P22),4(〜P63),5(〜P232),6(〜P330)
女性として生きることを改めて考えさせられる一冊だった。
ほとんどの家庭では家父長制が繰り広げられている。
それも意識していなくてもその道をたどってしまうというのが怖いと思った。
確かに私は自分の家を見ると、「家父長制・・・・」と思ってしまう。
まあ、正直私の家は家父長度のレベルがおかしいと思うんだがな。
ソコロフは家父長制を「男性が女性を支配することを可能にする社会的権力関係」と言った。
なんとも腹立たしい一文だろうか。
男性が女性を"支配"するとはどういうことか。
中には悲しい記述も多数あった。
でもこの本のほとんどに、私が男性を嫌う理由が的確に書かれていたと思った。 -
¥105
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高校の時論文を書くために購入。
いまだにちゃんと理解できていませんが、勉強をつんでいつかこのように自分の主張を構築したいものです。 -
「家父長制と資本制」をめぐる過去の研究が見事に整理されてますね、という印象を持った前半部分。それに対して後半部分は、より実践的かつ現実的な分析になっています。「家」とか「結婚」とか「育児」とかと「仕事」の関係について、「なーんか、オカシイよねぇ〜」と漠然と思っているようなタイプの方は、本書の後半部分を読んでみれば、「自分の思いに言葉を与えてくれた」という気持ちになるのでは。(200601)