月の満ち欠け

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 3149
感想 : 476
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000014083

感想・レビュー・書評

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  • 評価は高いのだけど、自分のように頭の悪い読者には時系列をグチャグチャにした設定はちょっと苦手。序盤、三角哲彦が人妻の正木瑠璃に一目ぼれし、恋人同士になったシーンはとても生々しくドキドキした。そこからは、複雑なストーリー展開と体温を一切感じない人物設定で一気に盛り下がる。正木瑠璃-->小山内瑠璃-->小沼希美-->緑坂るり。全体を通して、瑠璃の執着心は気持ち悪い。どうにかして三角哲彦に会いたい。その一心で瑠璃の輪廻転生する。これは愛なのか?世にも奇妙な物語なのか? ラストの章はなくても良かったのでは?②

  • かつて愛した人と再び巡り会うために、他人の命としてまた生まれる。そんなことがありうるのか。
    ただ、主人公・小山内の前には確かに娘の生まれ変わりとしか思えない少女が現れるのだった。

    ただひたすらに肌に合わなかった。瑠璃の想いを純愛とはわたしには思えなくて。
    そんなにも深く愛していたならば何故離婚してから関係を深めなかったのか。
    とんでもなく年の差がついても、彼の今の人生を思わずに何度でも彼に会いに行くのは何故なのか。
    愛はエゴである1面はあると思うけど、エゴが強すぎて心には響かなかった。
    愛する彼が死んだ時、瑠璃の転生も終わるのかな。そのとき瑠璃は幸せなんだろうか。

  • 直木賞で最近映像化された作品ですが・・・
    この人も難読漢字を使いたがるタイプ、しかもフリガナは打たない主義らしい
    読む方からすれば、いやな人です

    序盤は興味を引かれたのですが、中盤あたりで止めようか悩むくらい私には合わない本でした
    こういうタイプの話なら、もっと上手に描いたものがあるし、結局何が一番言いたかったのか分かりませんでした

    人への執着はあるのに、生への執着は感じられないというチグハグ感
    「前世を記憶する子どもたち」は読んだことがないけれど、「繰り返しの子」なんて存在して欲しくない・・・

  • 直木賞受賞作品です。図書館で順番待ちしていました。

    大好きだった人と再開するために、亡くなった女性が何度も生まれ変わりを繰り返すという純愛小説、なんでしょうかね?
    随分くだらない作品が受賞したな、とちょっとびっくりしました。

    既婚のおばさんが大学生と不倫関係になり、さあこれから盛り上がるぞって時に死んでしまったのだから未練は残るのでしょうけど、転生して、でも再開する前に死んで、また転生して・・・って。
    一度目の記憶を、2度3度目の転生した子に引き継ぐっていうのもご都合主義だし、そもそも本来の子の人格を奪ってるんだから悪霊だね。
    でもなぜ何度も早世するの?悪霊は寿命が短いのかしら。

    半端に純愛ぶってないで、潔く瑠璃を本当の悪霊にしてすっぱりホラー小説に舵を切った方がよかったのでは?(苦笑)

  •  共感する事は出来ませんでした。

    ワガママな思いが強い気がしちゃいます。

    月の満ち欠け。 

    月の重力によって海の満ち引きがある様に。

    感情の起伏。

    いい事もそうでない事も。

     思い描くと言うこれからをみて歩んでいきたい。

  • 映画化され、話題になったので読んでみた。
    「生まれ変わり」がテーマの小説。時系列を辿るのが少し難しく、行ったり来たりすることもあったが、最後の方は、「こういうことか…」と。でも少々こじつけ的な感じがした。本当に愛する人と出会い、愛を育むことの大切さを描きたかったのか?

  • 「ちょっと死んでくる」
    全く怖くないホラー小説みたい。

  • 今年(2022年)の12月に大泉洋、有村架純らで映画されると云うことで読んでみた。ダメ、私の貧相な頭では何がなんやら分からない。作者の作品を読むのは4作目だが、いつも似たような感想になってしまう。この話をちゃんと理解できる人は凄いと思う。私にはその気力さえない

  • 映画化されるとのことで読了。
    ちょうど放送中のドラマ『妻、小学生になる。』を思い出し、生まれ変わりがごく自然なものと感じられた。
    でも、自分の娘が、誰かの生まれ変わりで、前世の恋人に逢いにきたとしたら、受け入れがたいだろうなと、思った。
    それに、生まれ変わって再会しようとして無茶して失敗し、3度も亡くなられては、たまらない。そのたびに、それぞれのご家族は嘆き悲しむのかなと思うと切ない。
    実際50歳?の男性と7歳の女の子というのも厳しいなと思う・・・。
    私は感情移入ができなかったけれど、映画で見ると印象が変わるのかもしれません。
    生まれ変わりがテーマの小説としては、三島由紀夫の『豊饒の海』のが好き(豊饒の海も、読後、全くさわやかになれないけど)。

  • 何度も生まれ変わってまで会いたいほどの壮大な恋愛だったのか?
    お互いが生まれ変わるのではなく、片方だけなので、どんどん年の差が開いていくのは都合悪くない?
    子供に生まれ変わって家族として幸せなの?
    などの疑問だらけになってしまうし、いろんな時間、人物が登場するので話もわかりにくいところもあったのですが。
    話にはグイグイ引き込まれました。
    でも再読はないです…

著者プロフィール

1955年長崎県佐世保市生まれ。『永遠の1/2』ですばる文学賞、『鳩の撃退法』で山田風太郎賞受賞。おもな著作に『リボルバー』『Y』『ジャンプ』など。

「2016年 『まるまる、フルーツ おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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