民族と言語 (多民族国家ソ連の興亡 1)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000022071

作品紹介・あらすじ

なぜソ連邦は解体したのか。民族問題の観点から、社会主義という人類史の壮大な実験を読み直す。多民族・多言語の複合空間に重ねられた「特異な帝国」の命運。

感想・レビュー・書評

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  • ロシア帝国末期からソ連解体までの民族・言語問題について記述された学術書。本書はソ連で実施された政策が失敗であり、欠陥があったから解体したのだ、というような単純な図式を批判し、他方ソ連を擁護せず、中立的且つ一般的にソ連における民族・言語問題を取り扱っている。当時の政策や各共和国の状況、その当時の問題などを詳細に説明している。また脚注も充実しており参考文献も引きやすい。本書は民族・言語研究、はたまた一般人文科学における基礎がしっかりしているため、論文を執筆する際大変お世話になった。

  • ソ連期の民族政策を言語面から読み解くという力作。ソ連の民族政策が頻繁に変化していた事や必ずしも押しつけではなかった事など新しい理解も多い。その反面、ソ連構成国という大枠に囚われているので、ロシア構成国のチェチェンやタタルスタンなどは無視されている。民族問題と言語問題を考える際にはロシア構成国への制作も興味深いのだが。

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著者プロフィール

東京大学名誉教授

「2020年 『歴史の中のロシア革命とソ連』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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