村上春樹、河合隼雄に会いにいく

  • 岩波書店
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感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000022217

感想・レビュー・書評

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  • 小説家・村上春樹氏と心理学者・河合隼雄氏の対談です。
    1995年に行われた対談のため、話題は『ねじまき鳥クロニクル』や地下鉄サリン事件(ちょうど村上氏は『アンダーグラウンド』の取材中だったようです)などが中心となっていました。

    キーワードとしては、「物語」「宗教」「暴力」などが印象に残っています…が、私とってはなかなか難しい内容でした。
    ただ、対談が行われてから約18年が経過していますが、話題の中の普遍的な部分は今でも十分に新鮮ではっとさせられます。
    村上氏は「これから暴力の時代がもう一度来るんじゃないかという気がすごくする」と言われていますが、その予言めいた言葉は現実になっているように思います。
    そしてその時代を生きる私たちは…。
    何度もくりかえしページをめくり、じっくりと考えたい1冊でした。
    再読の前に、まずは『ねじまき鳥クロニクル』をもう1度読みたいです。

    読んでいて、お二人の波長が合っているんだろうなぁということが、それとなく伝わってくるのが心地よかったです。

  • 何回も読み返している本。

    今回は、
    ・言葉にしない方がいいことがある。
    ・言いたくないことは言わせない。
    ・偶然を待つ。
    というのが特に印象的でした。

    読むタイミングによって、いろんな学びが得られる、とても大切な一冊です。

  •   再読。

     あるとき、友人との待ち合わせ場所で「ねじまき鳥クロニクル」がやめられなくて立ち読みしながら待っていたら、彼女が村上春樹の大ファンであることを語りだし、「コミット」「コミット」と連発。英語が好きでも得意でもない彼女に「コミット」を連発させる「村上春樹」と「河合隼雄」。「サクリファイス」で初めて知った河合先生が、村上春樹と対談ですと??とこの本を手にし、当時、心がす~っとするような気分になったのに、村上氏のノモンハンでの現象と作品を作る姿勢、主人公と自分は全然別人物、ということしか覚えておらず、ほんとに情けない限り。
     今読むと第一夜における村上氏の腺病質というかほぼ河合先生の患者のようにも思われながらの第二夜の作品に向かう力強さが感じられて、ちょっとびっくりしてしまった。
     この本もだいぶ時が経っていてちょっと切ない気分にもなったけれど、村上氏は今も井戸に降りて作品を作り続けてるんだな~。

  • 村上さんが『アンダーグラウンド』を書く前の時点での対談集。オウム真理教についてお二方の見解が述べられていて興味深い。河合先生はほんとに人が好きなんだろうなということが伝わってきた。人が慕うのが理解できた。

  • 河合隼雄が存命であったなら、15年後の今の2人の対談を読んでみたかったなと思う。特に、暴力性とコミットミントのその後についてどう二人は語っただろう。

  • 村上春樹も変わったなあ...

  • めまいで横になっていた今日、寝ては読み、また寝ては読みして読了。何度も読み返したりしてもまだわからないところもいっぱいだけどうっすら理解できるところもあった。
    暴力の時代がまたやってくるかもっていうのは、もしかして今のことか?23年前にあった対談だけど、今世界中でヤなムード。自国のことばかり優先で、どこも一触即発ムードが漂っている。
    歴史から学べないものなんだろうか、世界は。

  • 二人の使ってる概念の意味がわからないところがいくつもあるので、追いつきながら少しずつ読み返したい

  • 19年ぶりに再読。素晴らしい。特に河合隼雄の言葉の深さ。凄味が迫る。

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