歴史のなかの新選組

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著者 : 宮地正人
  • 岩波書店 (2004年3月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000025317

歴史のなかの新選組の感想・レビュー・書評

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  • 歴史学の立場から 書かれた新選組論。これまで新選組研究は主に在野の研究者によって行われてきたとのことで、本書のように学術的な視野に立ったものはそれだけでかなり希有な試みであるといえる。新選組については虚と実が曖昧に渾然一体となっていたという状況を踏まえ、史料の徹底的検証からまずは虚と実を峻別することが必要となる。それゆえ史料の批判的検討が中心となる。引用が多く、抜粋だけ読むのはやや退屈だがだからといって読みづらいというわけではない。

    とくに西村兼文の「新撰組始末記」には一章を割いて、詳細な検討を加えている。大和屋焼き打ち事件に芹沢は関与していなかったらしいなどの指摘には目から鱗が落ちる思いがする。史実重視の方は一読すべきと思います。『近藤勇書簡集』は私も刊行希望。

  • 小説や単なる資料ではなく、資料を読み解いた筆者の見解という形で、
    ある種新鮮で、冷静に読むことができた。
    近藤勇が政治家であるという描き方は、今まで何冊か読んできた小説の中にはないものだった。
    それだけにその解釈には興味を覚えたし、確かに実際そうだったのではないかと思う。
    小説は、全てが本当なわけではない。
    そしてまた、こうした資料も受け手によって捉え方が変わってくることもある。
    多くの本と接して、自分なりの新選組を捉えていきたいと思っている自分には、
    今まで読んだ資料本の中では一番面白く読めたし、参考にもなった。

    とても分かりやすい本だと思う。

  • ★★★★★、10個です(^-^;)。

    土方・沖田の書簡集があって、なぜ近藤のが無いんじゃぁ〜!というのが、新選組資料漁りの発端だったのですが(だって、局長なのにおかしいじゃん!)、この本ですっきりしました。この本の著者先生も同様のことを思っていたようで、近藤勇が本当はどんな人だったのか想像するのにかなり助けになる資料をまとめて下さっている。

    新選組については、ディテールは詳細だが全体像が分からない最右翼と思っていて、小説で情緒的に盛り上がってるのが実際の彼等とどの程度隔たりがあるのか皆目検討もつかないほどの五里霧中。近藤とか土方とか沖田って、本当はフィクションで実在しなかったんじゃないの?と思えるほどいろんなキャラクターとなって存在していて。

    そんな中で、幕末の歴史の中でどんな存在として実在していたのかを知るための本としてようやくたどり着いたのが、松浦令の「新選組」(思想史として)と、この本(政治史として)。かっこいい最期の武士の物語じゃなくて、幕末においてどのような勢力がどのように動いていたかの一角として捉えたいなら、この2冊を強烈にプッシュします。

    調べていくうち、今の政治状況と幕末期がそっくりと思うようになっているのですが、まぁそれはまた別の話。

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歴史のなかの新選組の作品紹介

激動の幕末維新期に光彩を放ち、今なお多くの人を惹きつけてやまない新選組。その実像に、信頼に足る諸史料を駆使して迫り、幕末期のダイナミックな構造の中に不可欠の要素として位置づけなおす。維新史研究の第一人者が提言する"新選組史論""新選組史料論"。

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