食と文化の謎: Good to eatの人類学

  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000026550

作品紹介・あらすじ

インドでは、おいしそうな牛がのんびり寝ている。イスラム教徒は、豚をさわるのも嫌。ダイエット大流行のアメリカでも、低カロリーの馬肉は食べない。何を食べ、何を食べないかという問題は、文化の気まぐれや歴史の偶然なのだろうか。人類学・経済学・歴史学・医学・生物学・栄養学などの膨大な知見と楽しいエピソードを披瀝しながら、人類学者ハリスは、食物生産システムを考察して食と文化の謎をあざやかに解明する。

感想・レビュー・書評

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  • ■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
    【書籍】
    https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/0000093675

  • 2017/12/05 21:08:34

  • なぜインドで牛を神聖視しイスラム教で豚を毛嫌いするか、ある地域では昆虫食を忌むのか、食人は。
    すごく分かりやすかった。納得。
    地域の気候や環境、集団の規模、政治的レベルによるのだ。
    読み終わり出版年見て驚きです。こんな古い本だとは思わなんだ。

    牛はインドではエサを与えなくても生き、農作の手伝いをしてくれ、糞は燃料になる。殺して食べるより使えるから。
    豚はヤギに比べ砂漠地帯で生きられず、エサも取れず、ヤギが増えると森林が減り、また豚の生きられない地域が広がる。ミルクも出ないし牽引力もない。
    昆虫は小さいため、取るための労力と栄養の対価が釣り合うか、昆虫以外に栄養を満たすものがない限り取られない。アフリカの虫は大きいし数もいるがヨーロッパにはあまりいない。虫以外から満足に栄養をとれる。人間に悪さをする害虫として忌み嫌われる。
    食人はそれ自体まるでコストベネフィットが釣り合わない。それは戦争に付随するものなのだ。村くらいの集団では勇気を鼓舞するために食人が行われるが、政治的な団体では捕虜は生かして労働に使う方が権力者の益になる。
    アステカは、虫を食べるくらい蛋白源に飢えていた。基本、食人は他に栄養があまりない場合に起きる。

  • 牛、豚、馬、牛乳、昆虫、ペット、人肉という食について、文化的面と関連付けられて説明されている。

    個人的には馬の章の、食肉の面からのアプローチについて参考にしたいと思っている。

  • 図書館で借りた。
     ヒンズー教は牛を食べない
     イスラムでは豚を食べない
     アメリカやイギリスでは馬を食べない
     昆虫を食べない
     ペットは食べるものではない
     人肉を食べない
    というような習慣は、宗教的で非合理な
    ものではなくその習慣ができてきた人々の
    文化にとってコスト/ベネフィットを考えたとき
    ベネフィットが多いからだとする考え方を述べている。
    宗教的なものだから大した理由もないんだろう、と
    今まで思ってきたが、これを読んで大分考え方が変わった。

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