新版 文学とは何か―現代批評理論への招待

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制作 : Terry Eagleton  大橋 洋一 
  • 岩波書店 (1997年2月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (437ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000028684

新版 文学とは何か―現代批評理論への招待の感想・レビュー・書評

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  • いや、これはmy大ヒットです。なんかの弾みで衝動買いしたのをずっと積ん読状態でしたが、読み出すともう止まらない。夢中になって読みました。
    文章は非常に親切で、入門書に理想的。読者を突き放して難解なタームや単語を並べたり、やたらと「周知のように」「あまりにも有名である」的な言葉で自らを権威付けすることもなく。かといって内容的には少しも安売りすることなく、文学批評理論を歴史的に俯瞰しています。プロとしての誇りと危機にある文学、文学批評、文学部への辛抱強い反論と展望が、程よい鼻息の荒さとともに伝わってきます。ポスト構造主義や精神分析、フロイト=>ラカンのプロセスやフェミニズム、マルクス主義との絡みも実に納得でした。
    ときに、本書の最後にある政治的批評を読み、本書は実は構造構成主義の本であると思いました。効用、そしてgoalsと複数のついたゴールが、それを示しています。

  • Linker No.8
     統合新領域学府修士1年
     Lesenさん

     小説の紹介が多いみたいなので、カタめですが小説に関連しつつ、ちょっと違うものを紹介してみます。
     筒井康隆の小説『文学部唯野教授』をご存知ですか? この小説は大学の内情を戯画化した筒井さんお得意のドタバタ劇、なのですが、それは表向き。作中の唯野教授の講義がとても分かりやすい文学批評入門になっています。その講義のもとになっているのが、T.イーグルトンの『文学とは何か』です。この本は現代の批評理論を解説した文学理論の入門書であり、批判書でもあります。文学部なら必ず参考文献に入っているのでは。批判書という面では、これから文学をやろうとしている人にとっては「文学とは何か」を探求していく長い長い道のりの第一歩となるでしょう。
     入門書としては、噛み砕いた言葉で書かれているので、タイトルのとおり「文学って何?」と思う他の分野の人にもおすすめです。『文学部唯野教授』で興味を持った人はチャレンジしてみて損はない1冊です。

  • 私・・・・まだ招待状を受け取っていなくってよ!

  • 非常に詳しい。

  • [配架場所]2F展示 [請求記号]901.4/13/E [資料番号]2000100463  [請求記号]901.4/13/F [資料番号]2003118155

  •  文学とはなにか。結論からいうと、文学は一義的にこれこれこういうものであるということができない。文学といえば小説であると考える場合が多いが、かつては小説は文学のカテゴリーに入れるべきではないとされていたし、時代によって領域が変遷するため、例えば、数学のようにある種の安定性を確保しているとはにわかにいいがたいものがある。例えば、文学とはすべて虚構であると定義したとしよう。しかし、プラトンのソクラテスの対話文学、パスカルやデカルトの哲学、シェークスピアの演劇、歴史文書、回顧録、告白文学をちょっと思い起こすだけで、その定義は破綻してしまう。このような状況に対して、文学とは「雑草」であるといった人があった。これは言い得て妙で、雑草なる草が存在しているわけではない。私たちにとって害となる、あるいは、何に益にもならないような草に対して便宜上雑草と呼んでいるにすぎない。「文学とは」ロラン・バルトが喝破したように、文学だと「教えたれたものほかならない」したがって、文学を枠に入れる文学理論は最終的には、イデオロギーと不可分ではいられず、政治的なものであるということが明かされていく。

    1 英文学批評の誕生
    2 現象学、解釈学、受容理論
    3 構造主義と記号論
    4 ポスト構造主義
    5 精神分析批評
    結論 政治的批評

    現代思想入門としても使える、之一冊あれば文学について知ったかぶりできる。

  • 文学が時代ごとにどう捉えられ学問としてどういった経緯で成立していったかと、時代ごとの分析方法の長所と短所(たいてい分析する側の独りよがりの部分が露呈してしまう)が客観的に書かれているように思う。
    文学は、ある時はイデオロギーとして機能していたり、またある時は科学や資本主義に対抗するものであったり、社会と密接に結びついているということが確認できた。また、物語を分類して分析する試み自体が科学的であり、分析方法は数式のようなものといった捉え方もできる。近代になり台頭した科学や資本主義自体は冷たいものに例えられ、その時から文学は有機的なものに例えられる。そこでまた有機的と言われる文学が科学を利用して科学に対抗しようとしているのが面白い。

  • 展示期間終了後の配架場所は、1階 学士力支援図書コーナー 請求記号:901.4//E11

  • ここでおさえておきたいのは、わたしたちが無意識のうちに抱いている価値判断やカテゴリーのすべてが、即イデオロギーではないということだ。(...)感情や価値付与や認識や信念の諸様式が、社会権力の維持と再生になんらかのかたちで関係をもつ場合にかぎって、わたしはこれを「イデオロギー」と呼ぼうと思うのだ。 p23

    わたしたちは包括的で、より歴史的で、より哲学的な擁護としての「ポストモダン性postmodernity」を狭義の、もっと文化的で美学的な用語としての「ポストモダニズムpostmodernsm」と区別しておかねばならない。ポストモダン性とは、近代性の終焉を意味する。p351-352

    わたしたちは自己の活動を合理的に根拠づけることなどできないのだが、それは、差異とか不連続とか、あるいは検証不可能な合理性のせいばかりではなく、わたしたちが掲げるいかなる理由も、畢竟、つねに、権力と信念と利益=関心と欲望からなる合理性以前の文脈にからめとられているからであり、こうした状況そのものが、合理的論証の種合うとしてなじまないからである。もはや人間の生に、大がかりな全体性とか合理性とか固定した中心など存在しない。人間の生のおわりなき多様性をひとつにくくるメタ言語も存在しない。あるのはただ、多種多様な文化と物語であって、これらは階層秩序的に整理することなどできないし、そのどれかを特権化することもできないのであって、そおの結果、残されるのは、みずから掌握できないまま、ものごとを行うという、いかんともし難い「他者性」を尊重することだけだ。p352-353

  • 文学批評論、必修編。

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