カチンの森とワルシャワ蜂起―ポーランドの歴史の見直し (岩波ブックレット NO. 202 シリーズ東欧現代史 1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (62ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000031424

作品紹介・あらすじ

1944年、レジスタンスがワルシャワで一斉蜂起した。しかし、ソ連軍はこれを助けず、蜂起はドイツ軍により鎮圧される。その1年前には、ソ連領内のカチンの森で、数千のポーランド将校の死体が発見されていた…。東欧戦後史の二つのタブーに迫る。

感想・レビュー・書評

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  • この本については現在絶版のようなので、できることなら一刻も早い復刊を願っています。東欧の歴史の『二大タブー』であった『ワルシャワ蜂起事件』と『カチンの森事件』を取り扱っています。

    ともに悲惨な事件です。 この本は僕が『カチンの森事件』について少し調べて見たかったので参考文献として入手しました。しかし、現在は絶版だそうで、非常に残念です。できましたら、一刻もはやい復刊をと願う次第です。この本が執筆、出版されたのは1991年の6月13日に第1版が発行とされているので、まだ現在のように、ある程度『カチンの森事件』と『ワルシャワ蜂起』についてはまだ少しおおっぴらに言えない時代だったのではと考えます。

    かいつまんで事件のあらましを申し上げますと『ワルシャワ蜂起事件』は1944年、ナチス・ドイツが占領するポーランドはワルシャワでレジスタンスが一斉蜂起した事件でありまして。しかし、ソ連軍はこれを助けず、蜂起はドイツ軍により鎮圧されるというものです。確か、『戦場のピアニスト』という映画にこのときのことが詳しく描かれていると思いますので、よろしければそちらを参照になさってください。で、僕が今興味を持っている『カチンの森事件は』ワルシャワ蜂起の1年前、 ソ連領内のカチンの森をはじめとする数箇所で、数千のポーランド将校、医師、弁護士、技師、牧師などのいわゆる『インテリゲンチャ』と呼ばれる人間たちの虐殺された死体が発見されていたというもので、グーグルでこの言葉を打ち込むとここにはかけないようなむごたらしい写真がてんこ盛りに出てきます。

    彼らがここまでの蛮行を行った原因してはかつて、スターリンがポーランドに攻め入った際に手痛い敗北を喫したので、その報復ではないかということ。そして、彼らを抹殺することで指導層のいない『空白地帯』をつくりそこに、共産主義思想の息のかかった人間を送り込もうとした思惑…。などが複雑に絡み合っているそうです。『カチンの森事件』は最近映画にもなっていますので、僕もあとで見てみるつもりですが、先に見た人の話だと『本当に救いがない』だそうです…。

  • ふむ

  • カチンの森とワルシャワ蜂起に関して概要を説明した本。現在のロシア、ポーランド、ドイツの関係を考えるにあたってこれらの事件を知っておくことは重要。

  • (1992.03.23読了)(1992.01.14購入)
    ポーランドの歴史の見直し
    (「BOOK」データベースより)amazon
    1944年、レジスタンスがワルシャワで一斉蜂起した。しかし、ソ連軍はこれを助けず、蜂起はドイツ軍により鎮圧される。その1年前には、ソ連領内のカチンの森で、数千のポーランド将校の死体が発見されていた…。東欧戦後史の二つのタブーに迫る。

    ☆関連図書(既読)
    「’89東欧改革」南塚信吾著、講談社現代新書、1990.04.20
    「激動の東欧史」木戸蓊著、中公新書、1990.12.20
    「ルーマニアの小さな村から」みやこうせい著、NHKブックス、1990.04.20
    「チャウシェスク銃殺その後」鈴木四郎著、中公文庫、1991.04.10
    「ベルリンの壁崩れる」笹本駿二著、岩波新書、1990.05.21
    「ハンガリー狂騒曲」家田裕子著、講談社現代新書、1991.10.20
    「ヤルタ会談と鉄のカーテン」小沢弘明著、岩波ブックレット、1991.06.13
    「粛清の嵐とプラハの春」林忠行著、岩波ブックレット、1991.06.13
    「ユーゴスラヴィアの実験」柴宜弘著、岩波ブックレット、1991.06.13
    「ハンガリーの第三の道」南塚信吾著、岩波ブックレット、1991.06.13

  • 子供向けの教科書にのっていそうな、きれいでわかりやすい文章。
    そうかカチンの森からワルシャワ蜂起はつながっていたのか。
    1991年出版の、その頃の空気ってものは希望に満ちている感じがする。

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著者プロフィール

長岡崇徳大学教授
主要業績:『ポーランドを知るための60章』(編著、明石書店、2001年)、『ポーランドの高校歴史教科書【現代史】』(監訳、明石書店、2005年)、『物語 ポーランドの歴史』(中公新書、2017年)。

「2020年 『ポーランドの歴史を知るための55章』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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