クローン羊の衝撃 (岩波ブックレット NO. 441)

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  • Amazon.co.jp ・本 (62ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000033817

感想・レビュー・書評

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  • 文系だからといって科学のことや数学のことを知らないで許されるわけではない。さわりだけでも理解しておこうと思ってゼミの先生に教えてもらったのがこの著者。
    このブックレットシリーズはどれも短く、様々な分野の問題が端的にまとめられているので一般教養を培うのにいい。
    正直技術面の話はまったくわからなかったが人間のクローンを巡る倫理問題についてはおおむねわかった。特に自分も無意識に誤解していたが、ヒトラーが代表するような悪い人間のクローンを作ったからと言って悪い人間になることは絶対ではない。DNAによって人格が決まっているわけではないのだから。ちょっと考えればわかることなはずなのに今まで気づかなかったし、たぶんほとんどの人はその辺誤解している。
    後は科学者達と一般人たちの世界の隔たりも実感した。一般人は科学者たちがどのような意図でその技術を開発したのかという前提の話には耳を傾けず、勝手に解釈してメディアはセンセーショナルにそれを論じる。科学世界でのルールをほとんどの人は知らないからだ。やっぱりこういう問題を見ると教養が必要だと思う。
    あと牛やヤギの体内で特定の物質を生成できるようにして、それを含んだミルクを出させるという構想は目から鱗。確かにそういうのできたら便利かも。

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著者プロフィール

1946年生まれ。京都大学理学部卒業。科学史家

「2017年 『ニュートン主義の罠』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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