憲法判例を読む (岩波セミナーブックス) (岩波セミナーブックス 21)

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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000048910

感想・レビュー・書評

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  • 憲法学の権威である著者がおこなった講演をまとめた本です。代表的な憲法判例をとりあげ、ていねいな解説をおこなっています。

    もとになった講演は1986年におこなわれたものなので、近年の重要な判例などはもちろんとりあげられていませんが、憲法を学びはじめたばかりの読者にとってもわかりやすく説明がなされており、現在でも役立つ内容ではないかと思います。とくに二重の基準論をめぐる説明がくわしく、他の概説書などを読んでもすっきりとした見通しを得られなかった読者には有益でしょう。また、定番の基本書である著者の『憲法』(岩波書店)にも見られるような、著者自身の見解も随所で示されているので、先にこちらに目を通しておけば、『憲法』の理解もいっそう深まるはずです。

  • 芦部信喜『憲法判例を読む』岩波書店 読了。違憲審査基準が体系的にまとまっていてわかりやすい。判例理論と学説との比較は実に明瞭。やや古めなので注意が必要だが、今なお有用。本書の理論によって具体的なケースを自分で考えられるようにしたいところ。講演録ゆえ仕方ないのか索引がなくて玉に瑕。
    2011/10/12

  • 講演会を文章におこしたもの。読みやすい。

  • 某首相が芦部知らないって言ってて衝撃を受けたが、よく考えたら僕も本読んだ記憶がなく、一冊は読むかなと思って手にとった。法って面白いなと思えた。900番結局一秒も行かなかった僕が。。。

    法の歴史・これまでの判例を引きずり、一方で社会のあるべき姿を考えつつ、現実の具体的な問題を法の中でどう位置づけるかという抽象的なことを考える。すごいダイナミック。

    違憲審査は大きく二種類ある。アメリカの付随的違憲審査制とドイツの抽象的違憲審査制。日本は前者。前者は具体的な案件がないと違憲審査はせず、したとしても基本的にはその案件に関しての判断。後者は具体的な案件なくとも抽象的に違憲審査をする。ただ、両者はお互いに歩み寄っている。例えば、具体的な案件のみに適応するといっても、その判決を行政や立法も尊重することになるので、実質的にはより一般的な効力を持つ。

    人権
     国民権→人権
     自由権(権力から自由になる権利)→参政権(権力に係る権利)→社会権(権力に保護される権利)
     法律による保障→憲法による保障
     国内的保障→国際的保障
     
    二重の基準理論
     精神的自由に関わることは厳しく、経済的事由に関わることは比較的緩く審査する

  • 芦部「二重の基準」論を学ぶのに最良の参考書。

  • かつて試験目的で佐藤幸治説で勉強していたのですが、どことなく理解しやすい芦部説に流れがちだったものの、当時は基本書をまだ出していなかったので、有斐閣リブレでの対談集、法学教室に連載中の憲法講義ノートなどとともに本書は考え方を知る上で参考になりました。今となっては"現代人権論"、"憲法訴訟の理論"、"憲法訴訟の現代的展開"の三部作とか読み返してみたいですね。

  • 違憲審査基準について詳しく述べられている。芦部先生の『憲法』をより深く理解するために有用だと言われているが、必須であるわけではない。ただ、2時間ちょっとで読み終えられるので、違憲審査基準の理解に不安を覚える人は読んでみるのがいいと思う。

  • 芦部の違憲審査基準を深く理解できる本。
    もちろん当該基準の判例も載っているので、判例基準で勉強する分にもOK

  • まだ読み始めたばかり。
    憲法の正統継承者。
    美濃部達吉、宮沢俊義、芦部信喜。

  • 憲法の神様である芦部先生の講演をまとめた本で、口語体で書かれており、
    まるで先生の講義をうけているかのようです。
    本書では、判例の用いた人権制約の違憲審査基準が丁寧に説明されており、有用です。
    特に、判例の二重の基準が横割りであるのに対し、学説の二重の基準が縦割りだという説明は、
    判例の審査基準論を一気に理解させる要領の良さがあります。
    ただし、?最近の判例はカバーされていない点、
    ?社会権に関する判例は取り上げられていない点
    には留意すべきですが、この点を勘案したとしても、
    本書は読む価値のある貴重な一冊といえます。

  • とにかく分かりやすい。裁判所の違憲審査基準や人権総論など,一般的な問題から解説しているが,元が講演ということもあって語り口調なため,非常に読みやすい。これとあわせて著者の例えば『憲法』(岩波書店)などを読むと理解が深まることは間違いない。

  • 講演を本にしたものです。憲法の基本的な考え方、判例の見方などが非常にわかりやすく説明されています。芦部先生と言えば、高橋先生が補綴している「憲法」で有名ですが、初学者はまずはこちらを読むのがよいと思います。これを読むことで、芦部「憲法」の内容の理解も深まります。芦部先生自身が、芦部憲法の端書で、書いてあることが分からなかったらこの本を読んでください、という風におっしゃっております。憲法が分からない、苦手だなぁと思う人には、是非とも薦めたい1冊です。

  • 憲法の判例を理解するのに
    これほど優れた本はないと思います。
    憲法学会の大御所芦部先生が
    憲法への深い造詣に基づき大変分かりやすくかつ的確に
    憲法判例の解説をされています。
    判例理解を深めるのに欠かせない1冊です。

  • 簡潔な記述で綴られた芦部憲法を詳細に読み解くためには必須な1冊です。語り口調で読みやすいです。その語りには、芦部先生の謙虚なお人柄が顕れています。

  • 憲法判例を読み解くための格好の参考書。一般向けの面もあるので、説明も丁寧です。

  • 芦部先生の公演をまとめた本。
    けっこう古い本ですが、学校の図書館で見つけました。
    二重の基準が詳しく書かれてます。

  • これから

  • 若干古いが、今でも十分読む価値がある。
    違憲審査基準の説明、そしてそれがどう運用されているか理解するのにいい。
    本の題名からイメージするより、体系的に説明がなされている。
    あとは、芦部先生の語り口調が好き。(プラス☆1つ)

    昨年、予備校の基礎コースを終えた後に、初めて読んだ。この本で二重の基準が少し理解できたと思った。
    今回、読んでみて、審査がどう運用されているかの視点を学んだ。

  • 芦部憲法で分からなかったらこれを読むと良いでしょう。「二重の基準」論はとかく抽象的な話になりがちですが、分かりやすく説明しています。

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著者プロフィール






「2017年 『日本国憲法制定資料全集(16)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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