青の物理学――空色の謎をめぐる思索

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制作 : 青木 薫 
  • 岩波書店 (2011年2月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000050111

青の物理学――空色の謎をめぐる思索の感想・レビュー・書評

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  • 空が青いのは太陽光に含まれる青色の光が何かに散乱されるからだと漠然と思っていたが、話はそう簡単ではなかった。太陽光に含まれる光は、波長が短いほど大気中の窒素分子や酸素分子によるレイリー散乱を受けやすく、しかも、人間の目に入るまでにおおむね1回だけ散乱されるので、人間の目に入る散乱光には、波長が短い光ほど多く含まれるようになる。それなのに空が紫色に見えないのは、太陽光に含まれる紫色の光は太陽大気による吸収のせいでもともと青色の光より少ない上に、人間の目は紫色の光より青色の光に対する感度が高いから。なるほど。多重散乱が起きると、散乱光に長波長の光が含まれる確率が上がり、短波長の光が再び散乱されて散乱光から除去される確率も上がるので、散乱光は白く見えるというのが意外だった。空の青さとアボガドロ数との関係も興味深い。

  •  空はなぜ青いのか、そして夜空はなぜ暗いのか。この問いはプラトンやダ・ヴィンチ、ニュートンらの科学者を悩ませ、答えが出ないまま何世紀もの時が流れた。本書は、アリストテレスの著書『色について』に端を発するこの問いに、歴代の科学者や哲学者や天文学者(や詩人や画家や探検家)たちがどう関わり、答えを出そうとしたかを追う科学史であり文化史だ。この問いの最終的な解決の方向性は、原子論の登場が確固たるものにしたが、意外なことにまだ完結は見ていないのだという。
     本書の原題は『sky in a bottle』(瓶の中の空)。これは直接的には、何人もの科学者が行った瓶の中に青空を封じ込める実験を指しているのだが、「わたしたちの見る空は、これまでも、そしてこの先もずっと、『究極の瓶』ともいうべき人間の脳から取り出すことはできない」という著者の想いが込められている。

  • 空はなぜ青いのか?
    空の青さをガラス瓶に閉じ込めることは出来ないのか?
    この問いが生まれることそのものが、実は画期的なことだったという指摘から本書は始まります。
    もちろん、科学的な探求の歴史が、本書のメインストリームではあるものの、その手前にある哲学、文化史に対する目配りが充実しているところが、本書の隠し味になっているのではないかと思います。

    各章のタイトルもそうですが、文章全体にわたる詩的な美しさが素晴らしい。装丁もシンプルながらセンスがいい。
    人に薦めたくなる本です。

  • なぜ空は青いのか、という謎を解くために人類が悪戦苦闘した1000年の歴史を描いた本。中身、というか理論の方は文系にはちょっと敷居が高くて半分も理解できた気がせんけど、理数系的な問題だけでなく文化的な面も取り上げられていて実に良いロマンでした。面白かった!

  • 「晴れた日の空はなぜ青いのか?夜空はなぜ暗いのか?」聞かれると確かに答えられませんよね。空が青いのは海の色を映しているからと、小さい頃教えてもらったのですが・・。たまには空(夜空)を見上げましょう。

  • 東京新聞2011.03.20朝刊。

    《単なるポピュラーサイエンスの域を超えた、青色にまつわる文化史的な一冊として楽しんでいただきたい。》(横山広美氏・文)

    詩の一語のような題名ですね。
    「題名買い」しそうな感じ。

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青の物理学――空色の謎をめぐる思索の作品紹介

「空はなぜ青いの?」-子どもも抱く、この素朴な疑問は、プラトンやアリストテレス、レオナルド・ダヴィンチやデカルト、ゲーテといった知の巨人たちを悩ませ、数々の科学者による謎解明への試みは、ラスキンやカンディンスキーなどの芸術家たちを虜にした。背景にある文化史や美術史にも目を向けながら、1000年におよぶミステリーの行方を追う。ケプラー、ニュートン、ヤング、フレネル、チンダルといった、名だたる科学者がこの謎の解明に手を染め、そしてついにはレイリーが…!?青空の研究は意外にも、ケルヴィンやファントホッフ、ブラウン、ペラン、アインシュタインらによるアボガドロ数への挑戦へと展開する。チンダルの行った「空を瓶に閉じこめる」実験も、現代風にアレンジして巻末に紹介。

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