ソフトウェア工学の基礎

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000056083

作品紹介・あらすじ

ソフトウェアは、プログラミング言語で記述される抽象的な創作物という、従来の工業製品にはない特徴をもつ製品である。目に見えず重さもないが、現代社会を支える必須の存在となっている。このようなソフトウェアをいかに設計・開発・保守していくのか?それに答えるのが「ソフトウェア工学」である。本書は、著者の企業におけるソフトウェア開発の実際と大学教育の現場での経験をもとに、とくに「モデル化」の基本的な考え方とその個別技術に重点をおき「ソフトウェア工学」全般を解説したものである。

感想・レビュー・書評

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  • 日本語のソフトウェア工学の数少ない名著の一つだと思った。
    第4章のモデル化技法とUMLでは、状態図、活動図、強調図、系列図と、漢字2文字にしてすっきりと説明している。
    系列図が、Sequence chartであることに思いが至らない人がいるかもしれないので、英語表記もあるとよかったかもしれない。
    酒屋の在庫問題の紹介は。有用で、情報処理の1984年9号、11号、1985年5号は必読だろう。
    また、自販機問題は、野呂さんの得意分野で、自販機メーカとの協同研究の成果でもあると思う。
    第10章、形式手法について、Z、VDMだけでなく、CafeOBJについても紹介があるなど、いろいろ細かなところまで詳細な情報を展開している。玉井先生のBに対する見解が聞きたかったのが心残りである。また、CafeOBJの記述例が、他の文献にもあるStackなのは残念でした。もっと異なる応用が可能である例示があると、記述してみようという意欲が沸くかもしれない。
    第12章、検証技術では、故障(fault)と障害(failure)を区別しているが、FMEAとFTAの紹介がないのはなぜだろう。
    いずれにしても、これだけ幅広で、奥深い日本人による入門書を見たことがない。
    最初にこの教科書で教えてもらった人は、幸せだと思う。

  • 要求分析の考え方としては、要求抽出型と目標指向型がある。

  • 研究室の本。
    まだ全体を眺めてみただけだが、ソフトウェア設計に関する項に多くの章を割いている。既存の設計手法を採用し、その表現手段としてUMLを用いる手法はうちの研究室の手法とはかなり違っていると感じた。
    もし東京大学の大学院入試を受けるなら玉井研究室を志望したいと考えたくらいなので、一度はきちんと読んでみたい本。

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著者プロフィール

1947年兵庫県生まれ。1970年、東京大学工学部建築学科卒業。千葉大学名誉教授、国立歴史民俗博物館名誉教授。著書に『建築の歴史』(共著 中公文庫)など多数。

「2020年 『図説 日本建築の歴史 寺院・神社と住宅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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