- Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000056793
作品紹介・あらすじ
本書はこんな人に最適です。数学なんてキライだという人。ラクして数学がわかりたい人。問題は解けるのになんだかモヤモヤする人。数式でなく、絵で理解する、世にも不思議な数学の本。驚きの直観的説明が、あなたの苦手意識をきれいさっぱり吹き飛ばします。「失敗学」のハタムラ式数学。本質がズバリわかる。
感想・レビュー・書評
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ぼくのような門外漢にとってとてもありがたい着眼点の本なのだが、作りが中途半端。きっと編集者はこの本をおもしろがって作ってはいない。
しかし、巻末の「付録」は実に示唆に富む。この本の真骨頂と言っても過言ではないと思う。[more]
<blockquote><b>直感の極意は丸暗記と暗算にあり</b>、ということを肝に銘じて欲しい。</blockquote>
と喝破なさる。
●ルートは、√1から√10まで覚えておけ。
●log2とlog3だけ覚えておけ (log2=0.3010、log3=0.4771)
●2の累乗は覚えておけ (10乗まで)
●2乗はこれだけ覚えろ (10の2乗から19の2乗まで)
logなんてこれから老い先短い人生で使うことがあるかどうか分からんが、
<blockquote>log4は簡単である。log4=log(2x2)=log2+log2=0.6020。
log5では…log(5x2)=1 → log5+log2 → log5+0.3010=1
log6=log(2x3)=log2+log3
log7は、ここでは飛ばして…
log8=log(2x2x2)=3xlog2
ここでlog7に戻る。
log7=(log6+log8)÷2
=(0.7781+0.9030)÷2=0.8405 正確には0.8450だが、まあ実用上はこれで充分。</blockquote>
てな調子である。
<blockquote>正確な数字など、後からいくらでも分かる。最初から<b>ゴチャゴチャ細かいことはするな、ザックリ大づかみにとらえよ</b>が、使える計算の鉄則である。</blockquote>
「1を足して掛けろ!」は、15,25,35…95の2乗の計算方法。
<blockquote>65の2乗は、
1. 6+1=7
2. 7x6=42
3. 42の後ろに「25」を書いて、4225。これが65の二乗の答え。</blockquote>
おお、これは昔々覚えていたやり方だ!
<blockquote> さて、これであなたは1から100まで、電卓無しに全ての数字の二乗を<b>ほぼ計算できる</b>ようになっている。
例えば67の2乗を計算してみよう。
1. 暗記した65の2乗(42225)と、70の2乗(4900)を思い浮かべる。
2. 2つの数を引き算する。 4900−4225=675
3. これを5で割る。 675/5=135
4. これに2を掛ける。 135x2=270
5. これに4225を足す。 240+4225=4495
6. 答えは4495である。</blockquote>
正確な数字は「4489」だが、「ゴチャゴチャ細かいことはするな。ザックリ大づかみにとらえよ」。「<b>倍、半分のズレは許される、桁違いはいけない</b>」のである。
付録2では、「知らない、調べます と言うな!」と叱咤。「<b>知らなくてもわかる方法は必ずある</b>」と仰る。
とにかく自分の知っている知識を総動員して、近似値を計算しろということで、これはi所謂フェルミ推定の技法。
最後の最後の「語録」にある「『わかる』ということは、自分の頭の中にどれだけテンプレートを持っているかで決まる。普段から自分で考え、考えの脈絡をどれだけ沢山持っているかが、分かりの速さの決定要因となる。」には、首を項垂れた。
「テンプレート」を増やすには、常に自ら考え続けねばならない。
「長老」が尊敬されるのは、過去の事実を知っているという単なる「経験、記憶」によるものではなく、それらの事象を基に様々なテンプレートを持ち、新しく出来した事柄にも対処できるからなのだ。単に馬齢を重ねただけでは「長老」の呼称には値しないのである。
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高校の数学の先生に読んで欲しい一冊です。が、この本の内容をおもしろいと思えるのは一通り数学を学んでいることが前提にある気がします。
私は理系で情報科学を学んできたなかで、テストで点数をとるためには腑に落ちなくてもこういくものなのだと、数式の意味を理解せずに覚えてきました。
これまでの勉強の裏側にこんな理屈があるんだと、現実世界にもっと寄せて考えるとこういう意味だったのだと分かるような内容になっているため、自分にとっては大変嬉しいです良書でした。
なので、私みたいにとりあえず、本質を理解してなくても、数学は解ければ良いと思って勉強してきた方にオススメしたいです。 -
おもしろかったよ!
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とりあえずは一読した…最初はかなりとっつきやすかったのだが、自分自身の数学力のなさは相当なもののようで、これだけ噛み砕いてもらってもまだ、追いつけない。。
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目指すところ,数学をイメージでとらえる,というのはいいけど,自分の見方とはずれていて微妙な例が多い感じがした.ただし確率の章は強化学習に通じるところがあり良い.
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高校数学の教科書では書かれていない背景
いきなり「そういうものだ」的に教科書に載ってることを、それをどういうことか解説してくれている。
巻末の付録・語録がまた凄い。これが頭が良くなるヒントだと思う -
直感ではなく直観、である。東大名誉教授で著作も多く、工学系が専門の筆者。数学嫌いを生んでしまう数学教育をディスりながら、小難しい数学の決まりごとを噛み砕いて説明している。
文系の私にとっては「そういや高校数学で習ったなあ」という程度の単語が時折出てくる。あの頃は言葉や公式を丸暗記しつつも自分なりの解き方を研究してそれなりに他の教科よりは楽しめたものだったが、大学以降で使う機会がなくなると知識はキレイに抜け落ちてしまった。
かなり噛み砕いて説明してくれている本書ではあるが、それと自分の理解が追い付くのとはまた別の話だと改めて理解した。普段使わないものはやはり頭に入ってこないw。学生時分よりも「頭に入れておかなければならない」事柄は、生活が懸かっているだけに必死に覚えるので、「とりあえず必要ないもの」は頭の中から追い出して必要なことを効率良く覚えようとするものなのだろう。
と、本書を理解しないまま読み終えた言い訳を述べてみた。 -
#図書館 「直観」の意味を勘違いして読むと痛い目に遭いますが、冒頭にキチンと説明されています。著者の考え方や説明は、他の本でも私にはわかりやすく、今作も同様でした。
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ピンとこない本だった。はまる人にははまる良い本なのでしょう。