複素幾何

著者 : 小林昭七

• 岩波書店 (2005年9月7日発売)

感想・レビュー・書評

[sergさんの感想 · 2018年11月13日]

3591円購入2011-06-29

[onifandayoさんの感想 · 2014年2月24日]

複素幾何の入門書としては最適。基本的な事項から始まり、幾何学的に面白い話題まで扱っている。ほとんどすべての命題に証明が付いており、独習も可能である。この本をある程度マスターすれば、あとは自分の興味に応じて、複素幾何の様々なテキストを読めるようになるであろう。不満な点は、複素構造の変形理論が載っていないこと、複素曲面について載っていないこと。前者は岩波の他の分冊に専門書があるが、後者については他の分冊でも触れられていない。特に複素幾何の立場からの複素曲面論をぜひ小林先生に解説してほしかったところである。

著者プロフィール

カリフォルニア大学名誉教授、Ph.D.。1932年 山梨県に生まれる。東京大学理学部卒業。プリンストン高等研究所研究員、マサチューセッツ工科大学研究員、ブリティッシュ・コロンビア大学助教授、カリフォルニア大学バークレー校助教授・副教授・教授などを歴任。2012年逝去。主な著書に『曲線と曲面の微分幾何（改訂版）』『微分積分読本』『円の数学』（以上 裳華房）、『複素幾何』『顔をなくした数学者』（以上 岩波書店）、『ユークリッド幾何から現代幾何へ』（日本評論社）などがある。

「2023年 『接続の微分幾何とゲージ理論（新装版）』 で使われていた紹介文から引用しています。」