- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000061490
感想・レビュー・書評
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読書は「文系」の営みなのか。もちろん、そんなはずはなく、読書に「文系」「理系」の区別はない。でも、では読書活動に「理系」的要素を感じるかといえば、それをひしひしと感じている人は少数派ではないかしらとも思う。要するに、読書に「文系」「理系」はないと頭では理解していても、実際の読書活動の実態を見ると、どう考えてもそれは「文系」の営みとしか捉えられないことが多くあるという話。実際、例えば「国語教師=本をよく読んでいる」というイメージがあったりして、むしろ国語教師ならどんな本も読んでいるんでしょ?的な見方もあるんじゃないかって思う。これはそもそも、よく言う「読書」の意味する幅が小さいことによる弊害とも受け取れるけど、結局「読書=文系」を体現した例と言えるでしょう。あー、もっともこういった議論は、そもそも「文系」「理系」なんて区別はナンセンスだ!なんていうのは抜きにして、ね。
本書には、主に「理系」畑の方々による様々な角度からの「理科読」のススメが掲載されている。目次を見ていただければ、わかるけれど、多くは「子どもに科学読み物を読ませるには」という視点で書かれているが、その中で大人が科学読み物に興味を持たないから子どもに伝わらないことも明らかになる。「はー、なるほどなー」となることも盛りだくさんで、「読書」とは何だろうということを考える上でも使える一冊。
【目次】
はじめに
第1部 子どものふしぎ心に寄り添って
1 はじめてであう科学の本 森達夫
2 自然の広がりを伝える―科学者として考えること 海部宣男
3 一冊の本から科学の世界を広げていこう―「よもあそ」から 吉田のりまき
4 科学あそびでむすぶ科学の本と実体験 坂口美佳子
第2部 科学の本を読む文化を
5 中学・高校生にこそ科学読み物を―理科の授業に取り入れる 山岸悦子
6 物語絵本や児童文学を楽しむように 辛島泉
7 科学する心―社会的基盤としての読書 川本裕子
8 本好きな子どもを育てよう―もっと科学の本を 滝川洋二
第3部 学校や地域で科学読み物を活かす
9 子どもと本をつなぐ場所―学校図書館 土井美香子
10 小学生と科学の読み物 小澤恭子
11 文庫活動と科学絵本 福田晴代
12 子どもの科学の本を集団で評価し書評をつくる―教師と編集者たちの試み 田中久雄
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紹介されていた本で、見てみたいと思った本・・・切っても切ってもプラナリア/ぼくからみると/算法少女/世界を動かした塩の話/ライト兄弟はなぜ飛べたのか/きゃべつばたけのいちにち/ロウソクの科学/天才!?科学者シリーズ/おそらにはてはあるの?
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子どもの「なぜ」を大切にし、探究心を育み世界を広げる手伝いをすること→理科読
具体的な活動例やオススメの本も多数紹介あり。 -
子どもって理科好きだもんねぇ。自分からは読むけど、親が幼い子に読みきかせするときにはなかなか選ばないよね。自省しながら読んだ。あれから理科絵本や理科読み物を手に取ってみたら、やっぱり面白い。そして、この本自体もとっても読みやすいので興味のある方にはお薦め。
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科学はもともとは「ふしぎ」から生まれた学問で、子どもたちにとっては興味津々の分野です。
理科嫌いな子が多いのは、「ふしぎ」にめぐりあう機会が少ないからなのかもしれません。
これからの日本を背負って立つ彼らに、グローバル化社会で取り残されないように、深く考える力をつけてもらいたい。
面白い科学の本に出会うことが、理科好きになる一つのきっかけになると思います。
物語だけではなく、科学の読み物もたくさん紹介していきたいと思いました。 -
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司書・司書教諭の勉強用の本も入れておきたいと思いますが…どでしょ?別ツールの方がいいかなぁ。
というとで、「朝読」のように広まるといいなぁ「理科読」。
この中にもありましたが、朝読で科学の本を読んでいると駄目出しされることがあるそうですね。うちでも時々「読書=物語の本しかだめ」みたいな指導方針の先生がおられて、んんんーーーという時があります。
なので、流行とは別に積極的に科学系の本を入れているわけです。そういうのがきっと、学校司書の選書だよね。
で、その参考に、と理科っぽい話もしたいのに、なかなか理科の先生とはそういう話にならず、「はいはい、本のことは図書の先生の仕事、こっちとは関係なし」みたいなバッサリ感が残念なこともあるので、
理科得意な先生に読んで欲しいなぁ、きっとこの本に出てるようなことはかなりご存じだと思うんだけど。(i44)