- Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000071604
感想・レビュー・書評
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司馬遼太郎さんのエッセイからこの作家に行きつきました。民俗学というものを初めて読みました。面白かったです。こんなのがあと何十冊もあるのかと思うと、うれしいです。
子供のころ、もっと祖父母の話を聞いておけばよかった、と思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
有名な書だけあり、面白く読める。現在の民俗学愛好家が好きな視点の原点だろう
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昔の生活。テレビもスマホもネットも不要。そんなのが無くても十分楽しくきっと充実している生活の切り取り。なんてことない無名の人の生活。でもどんどん読み進めたい。もしかしたら自分の深い所に断片が残っているのか。そんなことを考えさせられた。
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日本という国が好きになる本。政治的な意味では無く。宗教的な戒律に縛られなかった日本は、清濁併せ持つ、非常にバランスのとれた、自由で豊かな国だったんだなあと思います。その豊かさのごく一部でも現代の日本に取り戻せないものかと、夢想しました。
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古き良き時代の、農民たちの倹しいながらも生き生きと暮らすさまが、著者が日本を歩きまわって実際に老人たちから聞いてきた話を通して、見事につづられている。
物質的に恵まれていることが必ずしも幸せなのではないと痛感させられる良書。
解説で、著者の自叙伝「民俗学の旅」から引用されている文章に、著者が取り組んできたことの全てが語られていると思った。解説を書いた網野善彦氏も「これはまさしくわれわれ、現代の人間につきつけられた課題そのものといってよい」と書いている。
その文章とはこちら。
「私は長い間歩き続けてきた。そして多くの人にあい、多くのものを見てきた。(中略)その長い道程の中で考えつづけた一つは、いったい進歩というのは何であろうか。発展とは何であろうかということであった。すべてが進歩しているのであろうか。(中略)進歩に対する迷信が、退歩しつつあるものをも進歩と誤解し、時にはそれが人間だけではなく生きとし生けるものを絶滅にさえ向かわしめつつあるのではないかと思うことがある。(中略)進歩のかげに退歩しつつあるものを見定めてゆくことこそ、われわれに課されている、もっとも重要な課題ではないかと思う」