君主論 (ワイド版岩波文庫 190)

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  • Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000071901

作品紹介・あらすじ

ルネサンス期イタリアの政治的混乱を辛くも生きたマキアヴェッリは外交軍事の実経験と思索のすべてを傾けて、君主たるものが権力をいかに維持・伸長すべきかを説いた。人間と組織に切りこむその犀利な観察と分析は今日なお恐るべき有効性を保っている。カゼッラ版を基に諸本を参照し、厳しい原典批判をへた画期的な新訳。

感想・レビュー・書評

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  • 世界一美しい手紙と言われる本書。高価で珍しい財物を持たないマキアベッリが、自分の人生の叡智と経験をメディチに贈り物として捧げた書。

    人間は「邪悪」な存在であるという冷徹な認識の元、君主として権威と名声を維持し続ける要諦をまとめた。
    自国の軍を持つこと。援軍は、謀略が仕込まれていて勝った場合は援軍の虜となってしまうから厄介な存在であること。
    傭兵は援軍よりも良いが、利で動くため信頼できないこと。

    君主は人間としての全ての美徳を持っていることが望ましいがそれは無理なので、「持ってるふり」をすること。
    必要に応じてはそれを捨てて行動すること。

    最良の城砦があるとすれば、民衆に憎まれないことだ。

    賢明であるならば、君主は吝嗇ん坊の名前など気にしてはならない

    人間というものは、殺された父親のことは忘れても、奪われた財産の方はいつまでも忘れないから。

    新制度の導入者は旧制度の恩恵に浴していた全ての人を敵に回さねばならない。そして新制度の恩恵を受けるはずのすべての人は生ぬるい味方にすぎないから。
    新制度を強力に支持するのはかつての旧制度の支援者である。彼らは当初新制度に反対していた分、穴埋めをする必要があるからだ。

    常に体制に不満であるから味方となったものは、何ものにも満足することがないであろう。

  • ・ルネサンス期イタリアの政治的混乱を辛くも生きたマキアヴェッリは外交軍事の実経験と思索のすべてを傾けて、君主たるものが権力をいかに維持・伸長すべきかを説いた。人間と組織に切りこむその犀利な観察と分析は今日なお恐るべき有効性を保っている。カゼッラ版を基に諸本を参照し、厳しい原典批判をへた画期的な新訳


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    民衆などの人間の心理を鋭く分析することで君主のやるべきことを解き明かす、権力の保持・奪取に関する法則を見出して言語化する、といったことを通して西欧社会・権力の本質の歴史的理解を深めてくれる古典。




    内容というより。。
    ひどすぎるほどの逐語訳にいらいらします。

  • 現在でも全く通用するという点においても、この書物は優れている

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著者プロフィール

1469年― 1527年。ルネサンス期の政治思想家、フィレンツェ共和国の外交官。

「2012年 『君主論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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