愛しすぎる家族が壊れるとき

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000220170

感想・レビュー・書評

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  • ▼福島大学附属図書館の貸出状況
    https://www.lib.fukushima-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/TB00021169

  •  この本を読むと、昭和という時代はAC・共依存の培養に最適な環境だったのだろうと思う。男性不在の家庭で、女性が持つリソースは全て家庭のために捧げる。社会の構造がそのまま家庭に持ち込まれる。母は子に寄生し、子は親を越えることを強いられる(そういえば私もよく言われたなこの言葉)。
     共依存に陥った家族は物理的に離れること。無理をしないで楽に生きること。
     これから私が作っていく親子関係が支配・被支配にならないよう、「親が間違っている」と言われれば間違っていることを認めよう。

  • 寄稿文をまとめたものなので散漫な感じ。
    上野千鶴子氏の影響でフェミよりの論調の文章あり。
    社会学的な見地の論調は凡庸な感じがして少々辟易した。
    元アルコール依存症のカウンセリングのキャリアがある著者なのに、嗜癖について、われわれが嗜癖社会に生きていて、何かに嗜癖せざるを得ない性を深く考察していると感じられる文章がなく、残念だった。

  • 愛情という名の支配のもとに、自分の人生と親の人生を切り話せなくて苦しんでいる、日本型ACへの3つの提案。

    1)ロールプレイング家族
    2)契約制家族
    3)家族解散

  • 『母が重くてたまらない-墓守娘の嘆き』等、家族の問題についての著作を持つ信田さんのAC(adult children)を論じた本。

    第3部に分かれており、書かれた期間に違いがあるようなので、首尾一貫していないが、私が感じたこの作品のコアは以下のようになる。

    「家族関係が壊れるのは、みんなが傷ついており、自分を守ろうとしているから。
    何か問題が発生した時に、最も標的になりやすいのは、権力(状況を定義する権利)を持たず立場が弱い、子供や女性達。
    そして、家庭問題の難しい点は、当事者性の不在。
    被害者ははじめから被害者なのではなく、被害者になる。
    加害者は被害者の気持ちを知る事で初めて、加害者になる。

    家族は問題を抱えている。
    それでも、私たちは生き延びなければならない。」

    という感じかな?
    首尾一貫していないのが残念だった。
    一気に読むと混乱する。
    だが、読みやすい文章だった。
    個人的には、「中立という立場は存在しない。中立の立場でクライアントを見ると、必ずその人にも悪いところがあるように見える」
    という部分にはっとした。
    いままで、中立にいようとしすぎて他人に対しても自分に対しても、反省を求めすぎていたのではないだろうか。

  • 冒頭の事例はスリリングで面白かったけど、後半部分の理論部分は眠くて退屈だった…

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著者プロフィール

公認心理師・臨床心理士、原宿カウンセリングセンター顧問、公益社団法人日本公認心理師協会会長。1946年生まれ。お茶の水女子大学大学院修士課程修了。駒木野病院勤務、嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室室長を経て、1995年原宿カウンセリングセンターを設立。アルコール依存症、摂食障害、ひきこもりに悩む人やその家族、ドメスティック・バイオレンス、児童虐待、性暴力、各種ハラスメントの加害者・被害者へのカウンセリングを行ってきた。著書に、『母が重くてたまらない』『さよなら、お母さん』『家族のゆくえは金しだい』(いずれも春秋社)、『カウンセラーは何を見ているか』(医学書院)、『アダルト・チルドレン』(学芸みらい社)、『家族と国家は共謀する』(角川新書)、『タフラブ 絆を手放す生き方』(dZERO)、『共依存』(朝日文庫)などがある。

「2023年 『家族と厄災』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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