- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000222297
作品紹介・あらすじ
あの出逢いは、永遠に続く一瞬のはじまりだった-1962年4月。海辺の小さな村ポルト・ヴェルゴーニャの埠頭に新人女優が降り立つ。エリザベス・テーラーとリチャード・バートン主演の大作映画『クレオパトラ』の出演者がなぜこんなところに?実在の映画を背景に紡ぎ出された虚構の世界。過去と現在、イタリア、アメリカ、イギリスを舞台に、壮大なスケールで描かれる、果てなき夢を抱いた老若男女の、笑いと哀感に満ちた人生の旅路。
感想・レビュー・書評
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過去と現在を行き来しながら、登場人物たちの辿った人生の行方を探る小説。純文学的な雰囲気ながら、ミステリの風味も感じた。
また登場人物たちには作家や映画プロデューサーなどといったクリエイターが多く、彼らが考案したドラマや劇が作中作となって紹介される。そうした構造も楽しみになっており、この作品に華を添えている。
ハリウッド映画に関する描写も多く、そうしたことに興味がある方にもおすすめだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読んでよかった一冊に。時代・場所・人物の組み合わせを変えながら紡がれる物語に惹きつけられっぱなし。読むたびに汲み取れる情感が異なるような多彩な作品ではないだろうか。宝物だな、この作品は。
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永遠につながる一瞬があるのだとジーンとくる。
またいつか読み返す作品になると思う。 -
意味のない出会いなんてないんやろね。
滑稽な描写でさえなんか洗練されてる。 -
現代と60年代が交互に描かれるが、60年代のイタリアのポルト・ヴェルゴーニャを舞台にした話がとても美しい。それは主な登場人物の1人のパスクアーレの純粋さに起因してると思う。出てくるセリフに「望むことと正しいことは時に一致しない」とあるが、彼のとった行動には胸を打たれた。皆が自分の願望があり、大多数が叶えられずに苦しみ生きていく。それでも、もがいてあがいていれば時に救いや光に出会えるって信じられる話だった。忘れられないと思う。
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全米を席巻したベストセラーということで手に取ってみました。途中退屈しつつなんとなく止められずに読みきった感じ。色んな人生が折り重ねられている小説。翻訳が残念…
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映画の筋や書きかけの小説や芝居など複数の物語を織り込んだ入れ子型の、本筋は迂遠な道筋を辿って結ばれる、恋愛小説。ポルト・ヴェルゴーニャ、素敵だ。洞窟の絵、観てみたい。
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50年前と現在、その間の出来事が作中小説やシナリオ、劇などで入れ子のように展開する。最初は章が細切れで入り込むのが難しかったので、先に過去を...50年前と現在、その間の出来事が作中小説やシナリオ、劇などで入れ子のように展開する。最初は章が細切れで入り込むのが難しかったので、先に過去をまとめて読んだ。美しい映像的描写の過去と現在のショービジネス界のいやらしさの対比が鮮やか。最後に二人が出会いの場所に再訪する場面はとても印象的。二人とも結局は幸せな人生だったことに安堵した。2015/10/24
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