群島-世界論

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (545ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000226219

作品紹介・あらすじ

「世界」を「群島」として再創造する新たな思想の誕生。

感想・レビュー・書評

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  • いい旅ができた!

  •         -20090527

    群島とは、大陸的なるもの-近代国家や国語-の対極にある思考の一つの原理であり、制度的支配秩序の外部または裏面としての、時間・政治・言語の混淆した多様性を意味する。著者は、大陸的なるものに根ざすのではなく、海の潮流に身を委ねるように、群島的想像力により世界のVisionを反転させてみせる、独創的な文学論であり、J.ジョイスや島尾敏雄、D.ウォルコット、或いはカリブ海のクレオール詩人やゲール語で書くアイルランドの詩人たち、それらの文芸作品、遠く隔たった地で語られ書かれた言葉同士が、縦横に結ばれ共振する。

  • 近代より支配的となった、所有と契約に統らべられた大陸の論理を反転させた、贈与と信頼に基づく群島の世界観を綴った書物。
    ジェームズ・ジョイス、ラフカディオ・ハーン、島尾敏雄、カリブの詩人達といった群島的な世界観を持った作家の、著作や生涯を辿りながら、群島の世界図を作成しようとする壮大な試みが展開される。
    詩的でイマジナリーな記述は、とてもスリリングかつ魅力的。
    文体がかなり修辞的で入り組んでいるのと、500頁近い大著なので、時間と気の長さがある人向きの本です。

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著者プロフィール

1955年生まれ。文化人類学者・批評家。1980年代初頭から、メキシコ、ブラジル、キューバなどで調査研究に携わる。奄美自由大学を主宰する。著書に『クレオール主義』『ヘンリー・ソロー 野生の学舎』『宮沢賢治 デクノボーの叡知』など多数。

「2021年 『ぼくの昆虫学の先生たちへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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