幸福論

  • 岩波書店
3.24
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000228619

作品紹介・あらすじ

少子化、階層化、高齢化といった閉塞状況が日本社会をおおい、恋愛、結婚、家族、仕事などのあり方は激変している。現代の女性の生き方を画期的な視点から論じる小倉千加子氏と、買物依存、美容整形依存におちいりながら高度消費社会の混沌を生きる中村うさぎ氏が、この生きがたい状況をめぐり徹底的に語り合い、現代日本の見えない危機をえぐりだす。

感想・レビュー・書評

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  • 914.6

  • すごく面白くて、食いつくように読んだ。
    本当に面白い。私は子供のころから、家の庭に七人の小人をおいている家に対して「なんだかな…」と思っていたのだけど、それにたいするモヤモヤをはっきりと書いてくれていて、とてもすっきりしました。小学生の私が感じたあのモヤモヤ…。
    『特に女子は、他人に評価され、他人に必要とされ、他人に認定された時点で自分の価値が生じると考える。
    >というか、それしかないの。』を自覚していきていきます。
    「他人に何か言われてゆらいでいる自分がいや、もっと芯を持って強く生きたい」と思っていたけど、もうこれ、女に生まれついた以上、どうしようもないよ、性質やし、性格だし、自覚してるだけいいって事で、これをかかえたまんま、生きていきます

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    bookoff

  • 201003
    bookoff

  • 実にスリリングな対談。おおかたの対談は、なんだかんだいっても結局「そうそう、そうだよねえ」という調子に終始するものだが、これは別物。「それは違います」「言ってることがわからない」「矛盾してますよ」なーんて言葉がとびかって、なんだかハラハラする。でもどちらも相手をやっつけようという感じではない。そういうのってたいそう珍しいのではないんだろうか。幸福(特に女にとって)とは何か、というストレートな問いをめぐって展開される議論は、お二人それぞれの人生にきっちり根ざしていて、鋭く、重い。フェミニズムの代表的論客と渡り合って一歩も引かないうさぎお姉さんがかっこいい。小倉千加子さんは、退職されてもやっぱり「先生」なのだった。

  • 女としての幸福、という目線。
    中村うさぎさんを今までより身近に感じられたかもしれない。

  • 現代に生きる、主に女性のための目指す方向というか自分探しの参考書的な内容
    中村うさぎさんて本当はまじめで努力家な人なんだと思わせられた

  • ●フェミニズムの雄・小倉千加子氏&中村うさぎ女王様の対談本。
    つか、“雄”って単語がのっけからフェミコードに抵触しそう・・・。(´Д`;)

    ●小倉さんの中村さんへの対し方は、どうも分析的な印象。
    対等に話し合っていると言うよりは、医者が患者をカウンセリングしてるようでしたよ。
    また小倉さんは、人間を、ひいては自分を信じていて、ふるえるほどの幸福を実感したことがあるが、中村さんはそうではない。自分を信じられないから、他人を信じられないと考えている。
    そのあたりで、お二人の感覚はなんだかたいへん乖離しているようです。
    つか、“幸福”の概念に対する定義があいまいなまま、見切り発車してないか??
    ま、そのへんが、この対談の読みどころなのかも。
    ●内容としては、「子供、特に幼児を持っている女性は、結婚してない同性に対してズルいと感じ、男性以上に怒りを持っている」「引きこもっていると、傷つかずに済むが、自尊感情は低いまま保たれる。他者の視線でラベリングされたまま冷凍保存されたようなもの。」「自分で、自分を簡単にごまかすことのできる女性が、世の中にはたくさんいる。」「生まれてきたことに意味はない。意味は自分はつけるもの。」などなど。あとは、「人生に意味を問うこと自体が病であり、毎日仕事していれは悩むヒマはないはず、それこそ本当の人生だ、と言うフロイト先生のお言葉の引用とか。
    ●私自身は、中村さんの意見に同調する部分が多かったです。
    しかし、そう言う人はあまり多くないんじゃないのかね。どうかね。苦笑。
    好き嫌いが分かれる本なので、読後感は保証しませんよ。
    とりあえず、なにかひと言物申したくはなるかもな・・・。

  • 「人間は本当は平等が嫌い」<BR>
    「私、子どもは羨ましくないんだけど、子どもを持ったことで満ち足りた表情をしている女が悔しいわけ」<BR>
    とか、女の人の思想を本質を突いていてすごいと思う。<BR>
    やっぱり中村うさぎさんはすごい。

  • 行きつけの本屋で、何の気なしにフラッと購入したんですけど、読み始めてみたら、おもしろいですねえ。最初は、中村うさぎさんの「イタさ」(失礼)を、小倉千加子さんが社会的文脈に置きながら読み解く、みたいな感じなんですが、中村さんがその構図から少しずつハミ出していくにつれて、おもしろさが増していきます。いろんな角度から読み込んでいけるネタが、あちこちに転がっている本だと思います。ほんとは2006年12月初めごろに読了。(20070110)

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著者プロフィール

1952年、大阪生まれ。早稲田大学大学院文学研究科心理学専攻博士課程修了。大阪成蹊女子短期大学、愛知淑徳大学文化創造学部教授をへて、執筆・講演活動に入る。本業のジェンダー・セクシュアリティ論からテレビドラマ、日本の晩婚化・少子化現象まで、幅広く分析を続けている。現在は認定こども園を運営し、幼稚園と保育所の連携についても関心を深めている。
主な著書に『醬油と薔薇の日々』『シュレーディンガーの猫』(いそっぷ社)、『増補版・松田聖子論』『結婚の条件』(朝日文庫)など。

「2020年 『草むらにハイヒール──内から外への欲求』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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