神話と日本人の心

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著者 : 河合隼雄
  • 岩波書店 (2003年7月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000233828

神話と日本人の心の感想・レビュー・書評

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  • アマテラスを天の岩屋戸から引き出すために
    アメノウズメが裸踊りをするという場面は有名だが、
    アマテラスの影としてアメノウズメを考えると
    なんと面白い・・・。
    外国の神話との比較もあって面白い。
    中空近郊構造に関しては、こういうバランスのとり方というのは思ってもいなかったことで、いわゆる日本人気質というのは、こういうところからきているのか・・・と納得した。
    出雲と高天原との関係も面白く、勝者が敗者を支配下に置くという関係性がなく、巧妙に妥協したり、うまく補償しあったりして、古事記のなかの神々はすごいというか・・・
    こういう物語をつくった日本人・私たちのご先祖さまたちは、ただただすごいなあというしかない。
    「畏む(かしこむ)」ということに関しての記述も面白かった。

  • 日本人のバランス感覚は、神話にまで如実にあらわれているのだ。つまり「間をとって丸くおさめる」というやり方。父性の強い神が登場すれば、それを制御するのは母性的な神であったり、その逆も然り。ユダヤ教やキリスト教とは異なり、その容赦のなさが感じられないのが日本の神話。そこに、えもいわれぬユーモアが感じられて面白い。
    「間」と「ズラし」というのは、『古事記』や『日本書紀』にあってはほとんど同義語に近いのではないかと実感。
    カミムスヒノカミとタカミムスヒノカミが、それぞれ、反対の性を象徴するカミのバックボーンになっているというのにも顕著にあらわれている、古き日本神話においてさえ、出る杭ならぬ、出る神は打たれる、のだ。

  • さすが河合隼雄さん。
    神話に見られる、トライアッド、トリックスター、ゆりもどし、中空均衡構造などに日本人の心を見る。
    すごいなあ。『昔話と日本人の心』も読んでみたい。

    序章 日の女神の輝く国
     一 日の女神の誕生
     二 神話の意味
     三 現代人と神話
     四 日本神話を読む
    第一章 世界のはじまり
     一 天地のはじめ
     二 生成と想像
     三 最初のトライアッド
     四 神々の連鎖
    第二章 国生みの親
     一 結婚の儀式
     二 男性と女性
     三 意識のあり方
     四 国生みと女神の死
     五 火の起源
    第三章 冥界探訪
     一 イザナキの冥界体験
     二 禁止を破る
     三 原罪と原悲
     四 原罪と日本人
    第四章 三貴子の誕生
     一 父親からの出産
     二 目と日月
     三 アマテラスとアテーナー
     四 ツクヨミの役割
     五 第二のトライアッド
    第五章 アマテラスとスサノオ
     一 スサノオの侵入
     二 誓約
     三 天の岩戸
     四 アマテラスの変容
    第六章 大女神の受難
     一 大女神デーメーテール
     二 再生の春、笑い
     三 イナンナの冥界下り
     四 イザナミ・アマテラス・アメノウズメ
    第七章 スサノヲの多面性
     一 スサノヲの幼児性
     二 トリックスター
     三 オオゲツヒメの殺害
     四 英雄スサノオ
     五 スサノヲ・ヤマトタケル・ホムチワケ
    第八章 オオクニヌシの国造り
     一 稲羽の素兔
     二 オオクニヌシの求婚
     三 スサノヲからオオクニヌシへ
     四 スクナビコナとの協調
    第九章 国譲り
     一 均衡の論理
     二 大いなる妥協
     三 タカミムスヒの役割
     四 サルダビコとアメノウズメ
    第十章 国の広がり
     一 海幸と山幸
     二 「見畏む」男
     三 第三のトライアッド
    第十一章 均衡とゆりもどし
     一 均衡のダイナミズム
     二 三輪の大物主
     三 夢を神
     四 サホビコとサホビメ
     五 結合を破るもの
    第十二章 日本神話の構造と課題
     一 中空均衡構造
     二 他文化の中空構造神話
     三 ヒルコの役割
     四 現代日本の課題 

  • 河合隼雄の神話的心理学の集大成。古事記、日本書紀からキリスト教、ケルト人、インドネシアの神話に至るまで扱い、記紀における日本の神話との類似点、相違点を書きまくる。お陰様で、国生み、国造りや国譲りといった不得意ジャンルが良く分かった。日本神話の中空均衡構造という概念には説得力あり。ただし、ライフワークを一冊にまとめきった河合隼雄は四年後に永眠。文化庁長官の激務と本書を書き上げた達成感が死期を早めたかもしれない。合掌。

  • まさに私の知りたいことがギュギュギュっと!!!
    月読の存在感!
    そう!そう!そ~ゆ~ことなんだって!!とうなずきながら読んだ。

  • 日本人の心の特徴を神話に見出す、という視点が興味深い。中庸性など曖昧になりがちな漠然と、でもよく言われる特徴がいかに古事記に見出せるか。筆者自身が断っている通り、少々主観的だが、その考えの道筋は興味深い。

  • 日本人の「リーダーシップ」「自己主張」が無いは今に始まったことではなく、神話が出来た古代からの国民性なんだということがよく理解できた。

    イザナキ、イザナミの最後のやりとりによって、日本における「死」の初めと、それでも人は「産む」のエピソードで、自然の厳しさに畏れの念を持ちながらも、未来へ力強い希望をもってるということにとても感動した。

  • 「本書において、日本の神話について細部にわたって分析し、考察してきたが、これは、日本人が自分を確立するのにどのような過程を経てきたのか、欧米の個人主義を取り入れることがいかに困難なことであるかを、細部にわたって明らかにしてきた、ということもできるのである。(p.330)」

  • 日本人の特徴に「中空均衡構造」があると神話を通して分析したユング派の河合先生。これは今の政治状況を見ても見事に当てはまる。

  • 『神話の心理学』を読んで。

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神話と日本人の心の作品紹介

日本を代表するユング派心理学者であり、『昔話と日本人の心』などの著作で独自の物語論を展開する著者が、日本神話の意味とその魅力をわかりやすく語る。他世界の多くの神話と異なり、太陽神はなぜ男性ではなく「日の女神」アマテラスなのか?繰り返し現れる神々の「トライアッド」構造とは何か?母との一体性、トリックスター、英雄…さまざまな顔をもつスサノヲとはいかなる神か?「見畏む」男神たち、流し棄てられた神ヒルコは何を意味するのか…。『古事記』『日本書紀』の世界を独自の観点から、また世界の神話・物語との比較をまじえた広い視野からよみとき、日本人の心性と現代社会の課題をさぐる。

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