知の現在と未来――岩波書店創業百年記念シンポジウム

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000238854

作品紹介・あらすじ

いま必要な"知"とはどのようなものなのか。ジャンルの枠を越え、あらゆる固定観念を打ち砕き、縦横無尽に語り尽くした濃密な討議。

感想・レビュー・書評

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  • 大学においては非常識を生きるしかない。大学の人文知の大きな特徴は考える、語る対象となるものが、その場にないもの、不在であるもの。空間的、時間的に隔たっている。同時にそのような人文知の担い手があくまでもわれわれ個人の人でらるということ。

    授業がつまらないという学生はまだ見込みがある。
    考えるたびにある種の接続が生まれ、回路が生じて、その回路を通じて別の場所や時間からの生命が研究者に働きかけ、ものすごい勢いで多方向からの刺激が流れてくる。

  • 広井・柄谷両氏の話は、過去に読んだ本の復習にもなって良かったと思います。ところが、シンポジウムと言いながら、特に前半は何のことだか、話がつながらず、広井さんも参加されているが、何だか無視されているような、そんな印象を持ってしまいました。司会進行役が悪いんだか何だか、それぞれが好き勝手に話している感じです。人口減少を肯定的にとらえている広井さんに対する反発でもあるのかしら。後半はまだ柄谷さんを尊重して話が進んでいるし、まだ著書を読ませていただいたことがない堤未果さんの話なども聞けておもしろかったと思います。ただ、柄谷さん本人がシンポジウムにはとうとう最後まで登場されなかった。それがちょっと物足りない気分です。一方で、本書を読んでいて、実はいまはけっこうおもしろい時代なのではないかと思えたのが良かったと思います。停滞期には入っているのでしょうが、(そうだからこそ)新たな思想がつくられようとしている。これは、何かネットなどの技術的な部分も含めて、おもしろいことができそうな予感がします。だから、それぞれがしっかり哲学しましょう!ということで、本日、鷲田先生の「哲学の使い方」をゲットしました。早く読みたい。

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著者プロフィール

広井 良典(ひろい・よしのり):1961年生まれ。京都大学人と社会の未来研究院教授。専攻は公共政策、科学哲学。環境・福祉・経済が調和した「定常型社会=持続可能な福祉社会」を一貫して提唱。社会保障、医療、環境、都市・地域等に関する政策研究から、ケア、死生観、時間、コミュニティ等の主題をめぐる哲学的考察まで、幅広い活動を行っている。著書『コミュニティを問いなおす』(ちくま新書、2009年)で大佛次郎論壇賞受賞。『日本の社会保障』(岩波新書、1999年)でエコノミスト賞、『人口減少社会のデザイン』(東洋経済新報社、2019年)で不動産協会賞受賞。他に『ケアを問いなおす』(ちくま新書)、『ポスト資本主義』(岩波新書)、『科学と資本主義の未来』(東洋経済新報社)など著書多数。


「2024年 『商店街の復権』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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