文壇アイドル論

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著者 : 斎藤美奈子
  • 岩波書店 (2002年6月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000246132

文壇アイドル論の感想・レビュー・書評

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  • 2015年1月5日読了。
    一気読みだった!物凄く面白かった!
    村上春樹・吉本ばなな・立花隆等について冷静かつ公平で納得の論じ方。挙げられている著者の本を読んだことがなくても、おおむねは大丈夫です。

  • 村上春樹、俵万智、吉本ばなな、林真理子、上野千鶴子、立花隆、村上龍、田中康夫

  • 80~90年代に一時代を画した方々の同時代論?作家論論?です。私にとって既に存在していた有名人たちでしかなかった作家たちの、当時の受け入れられ方や有名になっていった時代背景などに触れることができて大変新鮮でした。村上春樹・俵万智・吉本ばなな・林真理子・上野千鶴子・立花隆・村上龍・田中康夫の八人分。

  • 1987年の村上春樹、俵万智の大ヒットが同じ清純派路線だったため、読者層が流れたという説明から始まり、少女カルチャー路線として、かつての赤毛のアンに代わるステータスを確保したのが世界的なヒットの秘密だという吉本ばなな、そしてオンナの時代の脚光を浴びた林真理子と上野千鶴子が対照的になぜ林が男性から拒否され、上野がむしろ受け入れられたのか。立花隆の幅広い関心のキーワード「人間の臨界点」という説明と彼自身が「知の巨人」となったことの批判、そしてマッチョ路線の村上龍(同じ村上と並び称されながら、本来は田中と並ぶべき存在)が「限りなく透明に近いブルー」からどのように変貌していくのか、田中康夫がなぜ文壇ではあまり取り上げられなかったのか、そして同じ「一橋的なるものの」の雰囲気を漂わせている石原慎太郎との共通点など、大変楽しく読める本です。それにしても文壇の巨匠の時代から小粒になったアイドルたちという印象がなんとも皮肉です。

  • 村上春樹を入口に吉本ばなな、立花隆、田中康夫などについて。名前だけ知っていて、著作を読んだ事のない人は参考に…なるかもしれません。読まず嫌いが加速する可能性も否定しません。

  • 斉藤美奈子さんはほんとにわかりやすく文章を書いてくれる人で、苦労なしにすいすいと読め、しかしわかりやすからといって内容が平易というわけではない。この本は、80年代とはどんな時代だったか、というのを文壇を華々しく飾った面々から分析するという内容である。
    8年前の本だから、もっと早く読めよ!ってかんじだが、ここで取り上げられた売れっ子作家は今も売れっ子作家、いやむしろそれ以上の文化人的扱いを受けてるので、8年前の本でも十分楽しく読むことが出来た。論評されてる作家で読んだことがないのは「なんとなくクリスタル」の田中康夫と俵万智、立花隆。それくらい、どの作家も身近に読んでるものである。

    この本で気がついた、というか「おお、そうだったのか」と思ったことはいろいろあるのだが、たとえば、

    ◎村上龍のエッセイ・文化活動と小説内容のギャップ(結局、村上龍はどういう人なのだ?という疑問)

    ◎林真理子はなんであんなに頑張ってるのに評価が低かったのか
    (でも、いまや林真理子は女流作家の最高峰。さらに、斉藤美奈子に言わせると「曾野綾子化してる」って。この表現が笑えた)

    ◎上野千鶴子のエッセイはどうして学術的なものより面白くないのか(さいきんはメモワールまで出しちゃう始末。すごい。社会学者っていうより文筆家、文化人である)

    ◎立花隆って、本当にすごい人なのか?

    ◎吉本ばななってなんであんなに外国で評価されまくり?どう考えても単調な話しなんだが。 


    などなど・・・実際作家の本を読んで、ちょっと違和感があったり、なんか不思議と思ったところ、のどにつかえた小骨が取れたような爽快感が・・・

    まあ、こういう安易に答えを出してはいけないのかもしれないけどさ、斉藤さんはあんまりクリアに物事整理してくれるから、そういう方向でいきましょう、という気分になるのである。斉藤美奈子はフェミニストであることには間違いないので(それはばりばりのフェミニストではないかもしれないけど)、そういう人が分析する評論は男のそれよりは信頼できると思う。

    さすがフェミニスト評論家、と思ったのが、林真理子と上野千鶴子の章。林さんは「下から上がってきた人」、上野さんは「上から下りてきた人」、という図式。これはすばらしい。
    林真理子は成り上がり精神で男社会である文壇村で地位を得、上野千鶴子はフェミニストとして世のおじさんおばさんを啓蒙するべく男社会である学術村から普通の世界(おやじが支配する男尊女卑家父長制社会)へ下りてきたのである。私はいつも上野千鶴子も林真理子も「上から目線」が気になってたが、斉藤氏の書いたこの分析を読み、同じ「上から目線」でも、自分がいままで上野千鶴子に完全にコミットできない理由がわかった気がした。やっぱエリートだしな・・・理論で武装、ってほんとかっこよくて憧れるけどさ~・・・

    それにしても、80年代って文壇でもアイドルとして活躍できた時代なのね。いまはどうだ。アイドルはだれ?ジャニーズとAKBなんとか?もうぜんぜん浮かびません。個人としては全然頭に浮かばない。ケータイ小説とかも、たぶん個人の作家、内容がどうこうじゃないのね。売り出し方のみがポイントなわけか。そういう意味では、80年代ってわかりやすくて分析しやすい時代だったのかも。2000年以降、だら~っと日常が過ぎて、さしたるブームもなく10年終わって次の10年ってかんじなのかな。だから90年代に流行ったバンドとかまたまた売り出しにかかってるのかな。なんかもう、どこにも進まない感じだよ。ちょっとむなしいね。

  • 一種の世代論として読める。この著者にとっては、世代間対立がすべての対立(イデオロギー間、男女間、分野間)を包摂していることになるらしい。以下主だった項目。春樹への世代別反応、立花隆の欺瞞、80年代女性文壇アイドルの実質:コンサバ少女・俵万智、隠れ全共闘・上野千鶴子、成り上がり・林真理子。

    個人的には、立花隆最大の功績は「耳をすませば」のお父さん役。




  • 【090830】聞いて極楽見て地獄


    :::::::::::::::::::::::::


    人生も折り返しを過ぎると死に方が気に掛かる。
    死は怖くはないが、やるべきこと、やりたいことをやり遂げたいとの心持ちは強くなる。
    成すべきと定められたことがあるのであれば成しておきたい。
    伝えるべきと定められたものがあるのであれば次世代に伝えておきたい。
    出会うべきと定められた人がいるのであれば出会っておきたい。

    いつか分からぬが死を迎えるのだから
    成すべきは成し、伝えるべきは伝え、出会うべきと出会い
    笑って彼方へ。


  • ●いわゆる文壇で有名な作家の皆さんを、パシパシと切り倒している評論。
    斉藤さんの文章は、権威に対してやたらと冷笑してるところがありますな。
    そして、いわゆる男社会が嫌いっぽいとと言う。んでも面白いッスよ! 
    キレキレっすよ! すごーい!! ●・・・などと作者の言に素直に賛成してたら怒られそうなニオイがぷーん。
    どうやら、他人の意見を無批判に受け入れ納得する態度は、この人のもっとも(かどうかは知らんが)嫌うところのようです。
    しかし、いちいち他人に喧嘩を売るのも疲れることではあるよ。ワシももう若くないし(・・・)、人生長いものに巻かれなきゃなあ。ま、批判精神はこっそり胸に秘めといてやってこうと思ったのでした。どっと払い。
    ●ちなみに田中康夫に対してだけは、わりかし好意的だと思われます。
    それって吉凶どっち?

  • 友達から借りて読んじゃったー。上野先生にネーミングセンスがまったくないというのを読んで確かに、と吹き出してしまった(こ、こら)

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文壇アイドル論の作品紹介

村上春樹に村上龍、吉本ばななに俵万智、みんな「文壇村」のアイドルだった-書評・作家論からゴシップ記事に至るまで周辺の膨大な資料を渉猟し、「一人の物書き」をアイドルにつくりかえる時代の背景に果敢に切り込む。林真理子、上野千鶴子、立花隆、田中康夫ら、総勢八名の豪華キャスト。渾身の同時代論。

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