政治経済の生態学――スウェーデン・日本・米国の進化と適応

  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000247245

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  • 国際化による底辺への競争が起きなかったのは、位置や環境資源の状況により体制の進化の道筋が異なるため
    税を保険と考えるスウェーデンと年貢と考える日本では福祉に対する考え方も違ってくる。
    国民の持つマインドが変わらなければ、体制も変わらない

  • 資料ID:21802995
    請求記号:311||S
    グローバル・スタンダードは存在しない。3つの国のシステムの進化学的物語がこれを明らかにする。

  • 『政治経済の生態学――スウェーデン・日本・米国の進化と適応』
    原題:The Evolution of Modern States: Sweden, Japan, and the United States(2010)
    著者:Sven Steinmo(1953-)
    訳者:山崎由希子

    【メモ】
    ・索引・参考文献は、本書には載せられておらず、PDF形式で公開されている。下記リンク参照。

    【書誌情報】
    本体3,800円+税
    刊行日:2017/08/29
    9784000247245
    四六 上製 カバー 304ページ

    国民の税負担が非常に重くとも,世界で最も寛大な社会福祉システムを備えるスウェーデン,戦後の著しい経済成長やネオリベラル的な政策への取り組みの一方,必要な保障が行われずジェンダー格差が根強く残る日本,豊かな資源の恩恵の上に「強い国家,弱い政府」という特異なシステムを築き上げ,社会の階層化が進む米国.それぞれの国が抱える問題を,政治経済学者の重鎮が進化と適応の観点から解き明かす.

    スヴェン・スタインモ (Sven Steinmo)
    1953年ミネソタ生まれ.カリフォルニア大学バークレー校にて政治学,公衆衛生学修士,政治学博士取得.コロラド大学ボルダー校にて教授を務めるほか,欧州大学院大学公共政策・政治経済学部講座教授など,各国の大学にて勤務.主著 Taxation and Democracy でアメリカ政治学会のガブリエル・アーモンド賞を受賞.本書は2011年,欧州進化政治経済学会よりグンナー・ミュルダール賞を授与された.邦訳書に『税制と民主主義』(塩崎潤,塩崎恭久訳,今日社).

    山崎由希子(やまざき ゆきこ)
    トロント大学政治学部修士.東京大学社会科学研究所助教・特任研究員を経て,現在は公益財団法人生協総合研究所研究員.専門は政治学(税財政政策,国際政治経済,医療政策).
    https://www.iwanami.co.jp/smp/book/b308218.html

    【目次】
    日本語版への序言(二〇一七年四月 イタリア、フィレンツェにて スヴェン・スタインモ) [v-viii]
    序言――複雑なサブシステムからなる多様なシステム [ix-xiv]
    目次 [xv-xviii]

    第一章 進化と適応の物語――国家の多様性 001
      グローバル・スタンダードとは?/何が間違っていたのか?/社会科学の手法をめぐる論争/進化理論と社会科学の親和性/進化理論と歴史的制度論/よくある誤解についての覚書/三つのシステムの事例/スウェーデン――マルハナバチはなぜ飛べるのか?/日本――適応に苦闘する交配種/米国――強い国、弱い国家/結論

    第二章 スウェーデン――マルハナバチの進化 037
    Part 1 普遍的福祉国家 042
      財政的攪拌/社会主義的自由経済/経済的集中
    Part 2 スウェーデン・システムの進化 054
      妥協の政治の選挙制度に関わる起源/サルトシェーバーデンの歴史的妥協/戦争と戦争によってもたらされた利益/女性、雇用、平等/コーポラティスト交渉の政治化と衰退/スウェーデン・モデルの再考/スウェーデン資本主義の危機
    Part 3 世紀末の難題 079
      「社会主義者たち」の適応/グローバル経済下の教育/破壊的な新自由主義?/人口動態変化への適応/社会民主的コンセンサス/スウェーデン・モデルと社会福祉国家/結論――今も飛び続けているが、マルハナバチのままなのか

    第三章 日本――新旧遺伝子の交配種[ハイブリッド] 103
    Part 1 日本システムの概要――「日本株式会社」 106
      「日本株式会社」の内実/二重構造の経済/「雇用を通じた福祉」/政治的構造――イデオロギーなき政治/日本の小さな(公の)福祉国家/日本スタイルの税制/様々に矛盾する交配種のシステム
    Part 2 日本システムの進化 124
      米軍占領時代/民主主義を守る平等/戦後の最優先目標――経済成長/産業政策の優先/島国国家――石油危機の到来/ジャパン・アズ・ナンバーワン
    Part 3 新世紀の難題 140
      バブル崩壊以降/「グローバル・スタンダード」への適応/半分空のコップ/税制改革/小泉劇場/不平等の増加/信頼の低下/実現されなかった改革/ジェンダーによる不平等/高齢社会vs均質的な国家/レジームは変化するのか?/結論――衰退に向かいつつある交配種?

    第四章 米国――特異な進化を遂げた「強い国、弱い国家」 169
    Part 1 米国の「隠れた」福祉国家 172
      米国の特異な税制/選別方式/自由な市場?
    Part 2 米国システムの進化 184
      豊かな土地の、抑制と均衡のシステム/現代の積極的な国家の台頭/米国福祉国家の構築/改革主義国家の登場/豊かな人々/大きな政府と弱い国家/信頼への危機――カーターの警鐘/「政府こそが問題なのだ、それは解決ではない」――レーガンの登場/進化する世界経済/「大きな政府の時代は終わった」――クリントンによる軌道修正の試み/支出ではなく、減税
    Part 3 世紀末に立ちふさがる難題 226
      政府に「何をしてくれるのか」問うのではなく、「何が手に入れられるか?」へ/結論――増え続ける富と縮小する政府

    第五章 「それでも地球は動く」 237
      新自由主義の終焉?/グローバル化はなぜ福祉国家を葬り去らなかったか/保険としての福祉国家/政治の進化学は必要か/アイディア、エージェント、制度的変化/進化単位としての国家?/制度と進化/グローバル化する世界における分岐

    訳者あとがき(二〇一七年七月 山崎由希子) [271-278]
      スヴェン・スタインモについて
      本書の学術的背景について
      本書の視点から見た今日の日本社会
    原注 [1-30]

  • スウェーデン・日本・米国の税制と経済を比較・検証する。最初はしんどかったけど日本編以降はスラスラ読めた。詳細→http://takeshi3017.chu.jp/file7/naiyou25301.html

  • 日本、スウェーデン、アメリカという政治経済体制が異なる三カ国を比較したうえで、進化論の見地を踏まえて分析した意欲的作品。

  • 東2法経図・開架 312.38A/St3s//K

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