ポスト世俗化時代の哲学と宗教

制作 : フロリアン シュラー 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 58
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (129ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000247580

作品紹介・あらすじ

二〇〇四年四月一九日ミュンヘン。現代を代表する哲学者ユルゲン・ハーバーマスと当時枢機卿であった現ローマ教皇ベネディクト一六世とが討論会を行った。宗教を政治社会の中で正当に位置づける必要性が明らかとなった今日の"ポスト世俗化"時代を象徴する出来事である。本書は、「自由な国家における政治以前の道徳的基盤」をめぐってそれぞれの立場から行われた当日の講演に、両者の議論の歴史的社会的背景に焦点をあわせた訳者解説を付す。

感想・レビュー・書評

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  • 【由来】
    ・佐藤優

    【期待したもの】


    【要約】


    【ノート】

  • 哲学者ハーバマスと、戦後初のドイツ人教皇の枢機卿時代の間で行われた対話前に行われた基調講演の記録。哲学者はその哲学的方法の原則から枢機卿は宗教を携えたいわばある世界観を信じるものとしてそれぞれの立場で話をしている。お互いが敬意を払ったう上で、話をしているのがよく分かる。確かに相違はある。しかし、多くのことで合意が可能であると思わせる。そこに大切な領域が見えてくる気がする。実際の対話は非公開で明らかではないがこの講演がこうしてなされている意味は少なくない。又、双方の経緯や背景にふれた解説が結構分厚く特に枢機卿はどういう人だったのかが述べられてあり現代の教会の変遷なども学べる。戦後、今までの哲学、宗教の最前線にいたふたりなので読んでいてとてもおもしろかった。

  • よくネット上でネタ的に使われる現ローマ教皇(大魔導師みたいなやつ)が、どのような考えを持っているかを知っている人はあまりいないのではないだろうか?

    本書はその現ローマ教皇が、政治哲学者であるハーバーマスと哲学・宗教・政治について語り合うというある意味で非常に挑戦的な本である。といっても、本書には肝心の2人の対話の部分は収録されておらず(許可がおりなかったらしい)、それぞれの講話が収録されているにすぎないのだが、訳者による本書の半分くらいを占める解説によって、それぞれの背景や政治的・宗教的立場の違いが明確になっているだけでも、この分野に関心のある人にとってみれば読むに値する本になっている。

    カトリックに関して僕はあまり今まで特に探求してこなかったし、その筆頭であるローマ教皇がどのような思想を持っているかについても関心をなぜかあまり持っていなかった。

    しかし保守として見なされるローマ教皇のなかにあるリベラル性について認識できたことは、物事があまり単純ではなく、そしてそれはローマ教皇においても同様であるということが端的に理解できたという意味で有益だったように思う。あと、ハーバーマスは毎回同じようなことを言っていてなんか安心した。

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