墓標なき草原(下) 内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録

著者 :
  • 岩波書店
4.75
  • (3)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 50
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000247726

作品紹介・あらすじ

対日協力者が粛清されるや、革命聖地の延安出身のモンゴル人共産主義者までもが、「民族分裂主義者」として弾圧の標的となり、災厄はさらにその家族や係累へと及んだ。内モンゴルに大量の漢族移民が送り込まれ、粛清はより組織的かつ残忍なものとなり、草原は荒れた沙漠と化していく。やがて内モンゴルの文革は、一人のモンゴル人が「内通者」の罪人に仕立てられ結末を迎える。巨悪は闇に葬られ、恐怖の現実は忘却され、語ることすら許されない歴史。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 毛沢東による文化大革命の犠牲になる少数民族がよく分かる本である。モンゴル人だけではなくウイグル、チベットも同様で、ポルポトの大虐殺の原因も作った、虐殺輸出国である。

  • 目次

    第Ⅲ部 根元から紅い延安派
     第7章 モンゴル人を殺して、モンゴル族の人心を得る
     第8章「モンゴル人虐殺は正しかった」
     第9章「モンゴル人がいくら死んでも、埋める場所はある」

    第Ⅳ部 トゥク悲史―小さな人民公社での大量虐殺
     第10章「文明人」が作った巨大な処刑場
     第11章「中国ではモンゴル人の命ほど軽いものはない」
     第12章「モンゴル人が死ねば、食糧の節約になる」
     終章  スケープゴートもモンゴル人でなければならない

    視座 ジェノサイドとしての中国文化大革命

    おわりにーオリンピック・イヤーの「中国文化大革命」

    内モンゴル自治区文化大革命年表

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

1964年南モンゴル・オルドス高原生まれ。静岡大学人文社会科学部教授。北京第二外国語学院大学日本語学科卒業。専攻は文化人類学。博士(文学)。著書に『「中国」という神話』(文春新書)、『墓標なき草原――内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(岩波書店・司馬遼太郎賞受賞)、『日本陸軍とモンゴル』(中公新書)、『逆転の大中国史』(文藝春秋)など多数。

「2018年 『モンゴル人の中国革命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

楊海英の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×