ものがたりの余白―エンデが最後に話したこと

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制作 : Michael Ende  田村 都志夫 
  • 岩波書店 (2000年2月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000252881

ものがたりの余白―エンデが最後に話したことの感想・レビュー・書評

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  • 創造とはどのようなことか、創造のプロセスはどのようなものか、創造の秘訣などについて、文献から学んでください。特に、物語をつくるときに、先が見えないなかで時間展開を追いながら書いて/描いていくという「つくり方」について意識的に読んでみてください。
    ‐‐
    目次
    Ⅰ書くということ
    言葉、そして名
    物語の自律性、そして本という名の冒険
    船の難破体験、そしてユーモア
    遊びについて
    遊び、文学、そしてナチスと神話
    神話というもの
    自作品について
    『ジム・ボタン』と『モモ』のあいだ―「間」の話
    『鏡の中の鏡』について
    トリノの聖骸市

    Ⅱ少年時代の思い出
    エンデの家系、そして少年時代について
    少年時代―馬の話
    少年時代―サーカス芸人やピエロのことなど
    イタリアのこと、そしてパレルモの語り部

    Ⅲ思索のとき
    素潜りする病室の隣人
    シュタイナー人智学の芸術観
    漢字、身体、そして消える黒衣
    ヨーロッパの物質、アジアの霊性、そして歴史の流れ
    言葉と意味
    科学、経済、そしてイサクの原理

    Ⅳ夢について

    Ⅴ死について
    ‐‐

  • この本で初めて、夢のことや道化のこと、詩のこと、演劇のこと、ユーモアとナンセンスの違い、箱庭のこと、西洋的な考え方と東洋的な考え方の違いあるいは通底するもの(曼荼羅とか)…とかそういう色々なことを意識しだした気がする。

    はじめて読んだときに付箋貼ったりしているところは、いまでも、そうだよなあ、と思えるところが多い。
    ただ、感覚的に共感している、こういう表現の受け取り方が出来たらいいなあと思っているだけで、分かってなかったかな?と思うところもある。
     今も全部は分かっていない。
    (初読:2003 春ごろ)


    ★いまぱらぱらと見返してみて覚えておきたいところ、一部。
    ・「『精神は語り、心は泣き、知覚は笑う』
    (略)
    つまり別の言葉でいえば、人間は二重の生物だということです。精神的な生物であり、物理的な生物でもある。そして、身体の知覚が、精神をしばしのあいだ遠ざけえたとき、私たちは笑います。精神が人間の物理的特質を完全に支配しているときには、悲劇が起きる。悲劇があらわれるのは、なんら惜しむべきことでもないし、悲しむべきことでもありません。
    (略)
    それが起きるのは、まさに人間の身体が壊れるとき、つまり現身のかたちが壊れるときです。その中間に心があり、泣いている、とわたしは思っています。」36頁

    ・ヤスパースの哲学は挫折の哲学である。
    「それは作家にとって一番大事なことだと、わたしはそう思っています。それも、苦い顔をして受け入れるのではなく、明るい顔をして受け入れること、それが芸術家にとって一番大事なことでしょう。なぜなら、芸術とはほとんど挫折だけでできあがっているのですから。」42頁

    ・「絵というのは、概念を超えて、そのもの自身の矛盾を含んだ何かを表現する手段です。」71頁

    ・「(前略)つまり、ここでもまた、『詩人は、言葉で言えないことを言葉で言う』ということに帰着します。」76頁

    ・「わたしの望みは、ものがたりの状況から本を書くことで……、ゆうべ、暖炉の前に座り、みんなは手にワイングラスを持っている。そこで、やおらわたしがものがたりをする。そうなると、これは、よい響きでなくてはだめでしょう。」81頁

    ・トリノの聖骸布の話 101頁

  • エンデの作品群に一通り目を通した後、
    改めて読み直したいな。

    ユーモア―人間という不完全な生きものが、神という絶対者の前に立ち、自分が不完全なことに絶望せずに、それが人間なんだとあたたかく、おおらかに微笑む態度

    あとになってから、書いた文に何重もの意味があることがわかってくる

    たしか十だと思う。ここからはじめました。これが最初に書いた章でした。現在の第一章は一番最後に書いたのです。

    わたしは実は作家のように仕事をしない。わたしの仕事の仕方は画家のそれだって。というのも、わたしが知る画家たちはたいてい、描こうとする絵の大体のコンセプトは持っているけれども、でも、どこかある箇所から描きはじめ、そうすると描く作業中になにかがうまれてくる。

    偶然からわたしになにかがやってくるのがいつもとても大切なのです。私自身が知らないなにか、わたし自身にさえよくわからないなにかが。わたしに興味があるのは、わたしにはわからないことだけなのです。

    どの本を書いた後もわたし自身がちがう人間になりました。わたしの人生は実際、わたしが書いた本を節として区切ることができる。本を執筆することが私を変えるからです

    わたしにとってとても大切なのは、わたし自身が驚かされることです。

    本当の冒険はそんな力が自分のなかにあるとはそれまでまるで知らなかった、そのような力を投入しなければならない状況へ人を運んでゆくもの

    それでもわたしにこの単純なアイディアが思い浮かぶまで六年が過ぎました。しんぼうづよく待たなくてはいけない。そしてこの悟りがついにやってこない場合もある。でも、やってくることもあり、そうすれば本が書けるわけです。

    難破するという表現。裸のお尻で砂利の上にしりもちをついたことがなければならない。本当にどうしたらよいかわからない状況に、実際に陥ったことがなければならない。

    本当に生きるか死ぬかの闘いをしていて、なんとか口を水面上に出そうとしているときには、それが近代的か進歩的か、某氏がそれにうなずくかどうかはどうでもいい。

    人間に弱みがあってはならないとは絶知思わないからです。その逆で、実はユーモアは、どちらかといえば、人間には間違いがあるからこそ、愛すべき存在なのだとの意見。

    船が難破すれば、人はともかく悲惨な状態ですが、どこからさらに力が湧いてくるのでしょう。―「遊び」です。「遊戯」がわたしにとって、いかに大切かを、いつも強調してきましたし、これからも飽くことなく強調するつもりです。

    遊びやユーモアは、そんなに自分自身のことをおおげさにとらなくてもいいように、自分の船が難破した後、そんなに思いつめなくてもいいようにしてくれる

    ミケランジェロ、シェイクスピアは、人生のある時点で、かれらが努力していること、そのために息をきらして闘っていることは徒労にすぎないとさとった。

    人生において大事なことはみんな無償のこと。

    お行儀がいいから、わたしは天国に行けるはずだって、そうじゃない。善行は、それが無償で行われるときだけ善いことなのです。

    概念による思考の発達は、人間のなかにある、ほかの能力をなくしてきたのではないか。

    すべての言葉に先立つ、言葉なしで理解できること。

  • 子供の頃に大好きだったエンデの話。
    エンデ作品の翻訳をしてきた田村氏によるインタビューというのも、死を目の前にしたエンデの話というのも興味深い。

    もう一度エンデ作品を読んだらきっと以前気付くことがなかった行間に気付くことができるように思える。

  • 『モモ』の著者として有名なエンデの自伝。日常と非日常の接点としての物語、そしてそれを可能にする遊びという感覚についてエンデはとても敏感だ。

    現代人が求められているパラダイムの一つをまさにエンデは提供していると思う。その思想が余すところなく見える本。

  • エンデとの対談集。
    会話をそのまま載せているから仕方ないが、話があっちこっちにいって、後で参照しようとしたときに大変だった。
    エンデの作品に対する姿勢がわかる。

  • 思想家でもあるエンデの、死を間近に語った貴重な言葉たちを知ることが出来る。

  • 卒論!

  • 1:− 2:− 3:川崎市立図書館にて、2006年夏。いずれ購入予定。4:ミヒャエル・エンデの翻訳を長年勤めた 田村都志夫が、エンデの晩年傍らに付き添い、語られた言葉を聞き、本にした。死に向かうひとりの人間の言葉としてだけではなく、創造に人生を賭けた人間の言葉としてじんわり心に響く内容。但し、作品をまだ読んでいないなら、作家の言葉云々に触れる前に作品自体に触れてほしいと思う。 5:本文より、「C・ヤスパース→挫折についての哲学」

  • 分類=エンデ。00年2月。(参考)「童話の森」黒姫美術館→http://www.avis.ne.jp/~dowakan/

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