理性の探求

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000255653

作品紹介・あらすじ

九・一一以後に、思想を語ることは無益か。わたしたちを取り巻いている、不可解にして理不尽な出来事。そこに露呈している「狂気」と「非合理」の諸相は、いかにして形成されたのか。何を起源とし、どのような系譜をたどって、「今日」はあるのか。言葉をもって、現代の世界と向かい合うための、ありうべき思考の筋道を求めて。生きるために考え、歩くために「なぜ」と問う。人として在ることの根拠への問いを、混沌とした思想の風景から収集する、反時代的目録。

感想・レビュー・書評

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  • 高校生の頃に問題集で出会い、感動して探して取り寄せて読みふけった一冊。時は流れてここに書いてある話も古くなりましたが、基本的な考え方はいついつまでも変わらず学びとなるな、と感じます。

  • 確か、一年くらい前に読んだので、うろ覚え。

    「理性の探究」と言ってもお堅い哲学書ではなくて、時事問題に触れ、そこで起きた状況などを丁寧に解説する形なので、何も知らずに読むと「そうだったのか」と頷かされることばかり。

  •  クロニクルふうに、その時々に向き合わされた主題ないし問題を扱いながらも、生きることに根ざしたもう一つの理性のありかを、反時代的に探求する著者の姿勢は一貫しているし、その思考の広がりとしなやかさには瞠目させられる。生きることのすべてを対象化し、利用可能にするとともに、交換的ないし情報的価値をもつもののみが意味を有する、一元的な光の世界の支配の暴力的な広がり──これが「進歩」と呼ばれてきたのだろう──に抗して、陰影を宿した生きることのなかに息づき、バタイユ的な「非‐知」の覚醒にもとづく理性へ向かう著者の探求、二読、三読しなければと思う。

  • 2010.5.17

    半分くらい分からなかったけど、面白かった。
    経済学を勉強してる身には、経済学に批判的なとことかは特に参考になった。

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著者プロフィール

西谷修(にしたにおさむ)
哲学者。1950年生まれ。東京大学法学部卒業。東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。明治学院大学教授、東京外国語大学大学院教授、立教大学大学院特任教授を歴任したのち、東京外国語大学名誉教授、神戸市外国語大学客員教授。フランス文学、哲学の研究をはじめ幅広い分野での研究、思索活動で知られる。主な著書に『不死のワンダーランド』(青土社)、『戦争論』(講談社学術文庫)、『夜の鼓動にふれる――戦争論講義』(ちくま学芸文庫)、『世界史の臨界』(岩波書店)、『戦争とは何だろうか』(ちくまプリマー新書)、『アメリカ異形の精度空間』(講談社選書メチエ)などがある。

「2020年 『“ニューノーマルな世界”の哲学講義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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