脱「成長」戦略――新しい福祉国家へ

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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000259255

作品紹介・あらすじ

少子高齢化、家族構造の変化、雇用の不安定化、格差の拡大、疲弊する地域…変容する日本社会において社会保障制度が担う役割はますます大きくなっている。アベノミクスが目指す「成長」でこれらの問題がうまく解決するのか。短期的な「成長」思考を越えて、環境・福祉・経済が鼎立する「定常社会」という日本社会の姿、「新しい福祉国家」への道を考える。

感想・レビュー・書評

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  • ・環境問題などで物質的成長が抑えられると、定常社会(幸福など内面へ)へと向かう。
    ・日本では、社会保障は広くみると、家族、コミュニティ、企業で支えられてきたが、それらが崩壊するにつれ、税の方向へ向かう。
    ・定常社会の鍵はローカリゼーション

  • 橘木俊詔、広井良典『脱「成長」戦略ー新しい福祉国家へー』読了

    建設的な議論というよりは、広井先生のアイディアを橘木先生が批判していくことで理解を深めるような内容で、広井経済学の超入門書。
    ケアを中心とした定常型社会や幸せの経済学の新領域が提示されているわけではない。
    大学1年生や高校生の2冊目としては良いかもという感じ。

  • 筆者は基本的に、現在の日本社会を支えるシステム(経済・家族・社会保障)が制度疲労を起こしつつあるという認識にたったうえで、どのような社会システムが望ましいかを考察している。

    立場的には北欧型のレジームを志向していると思われる。一般向けのため、かつ対談形式のため、しばしば理論の飛躍が見られるのが残念。

  • 対談形式の本。結論は金子勝にやや近い。グローバルナショナルローカルというじゅんではなく、ローカルからグローバルをデザインすることを提案。時代の流れ(産業構造の転換)からそれを擁護。また現代の日本の若者のローカル志向が意外と高いことを指摘していて参考になった(ソースはややあいまい)

  • 成長戦略を脱する方法が載ってるわけじゃないけど
    成長戦略から脱する必要があるよね
    その後はこういう社会がいいよね
    というようなことが書いてあります。
    そんな突っ込んだ感じではなく、
    一つ一つが導入部分的な感じなので
    物足りなく感じるところもあるかもしれないけど
    出だしとしてはとてもいいと思う。
    経済学用語がちょいちょい出てくるのでそこに苦戦する人もいるのかも。
    個人的には色々整理できてとてもよかった。

  • 最近私の感じている違和感にぴったりの一冊であった。

    もう一度じっくり読もう。

  • (教育が成長を支えるとは?)……経済成長……「技術進歩」:一人ひとりの労働者の生産性を高くすること。⇒国民の教育水準を高くする。労働者の生産性を高くしたり技術進歩の速度を高める政策。労働者の技能訓練を大々的に行う。子どもに教育投資をして、新製品を作ることができたり、新技術を開発できるような有能な人に育てるしかない。労働者の質を高めるには教育しかない。
    (環境・福祉・経済の鼎立は可能ですか?)……ヨーロッパモデル、経済成長はゼロでいい。成長ばかりでは資源が枯渇してしまう。⇒経済成長≠幸せ。心の豊かさ。デンマークは福祉が充実していて国民の幸福度が高い。
    (自立するのは中央か地方か?)……農村は農村だけでやっていけるけれども都市は農村なしにはやっていけない。「東京一極集中」……震災などで日本沈没。「八ヶ岳型」……リスク分散。都市は従来の価格よりも安価に食料やエネルギーを地方から調達している。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、3階開架 請求記号:332.107//Ta13

  • 論点が整理されます。

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著者プロフィール

京都女子大学客員教授,京都大学名誉教授
1943年兵庫県生まれ。
小樽商科大学,大阪大学大学院を経て,ジョンズ・ホプキンス大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。京都大学教授,同志社大学教授を歴任。元日本経済学会会長。
専門は経済学,特に労働経済学。フランス,アメリカ,イギリス,ドイツで研究職・教育職に従事するとともに,日本銀行,経済産業省などで客員研究員を経験。
和文,英文,仏文の著書・論文が多数ある。
〔主要近著〕
『日本の構造:50の統計データで読む国のかたち』(講談社,2021年)
『教育格差の経済学:何が子どもの将来を決めるのか』(NHK出版,2020年)
『“フランスかぶれ”ニッポン』(藤原書店,2019年)
『日本の経済学史』(法律文化社,2019年)
『21世紀日本の格差』(岩波書店,2016年)
『フランス産エリートはなぜ凄いのか』(中央公論新社,2015年)

「2021年 『フランス経済学史教養講義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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