歴史・文化・表象―アナール派と歴史人類学 (岩波モダンクラシックス)

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制作 : 二宮 宏之  二宮 宏之 
  • 岩波書店 (1999年7月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000264051

歴史・文化・表象―アナール派と歴史人類学 (岩波モダンクラシックス)の感想・レビュー・書評

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  • フランスのアナール学派の代表的研究者たちによる歴史学論集。とりわけ、歴史学が人類学から何を学んだのか、歴史学と人類学を分かつものは何かといった、隣接社会諸科学の成果を進んで摂取してきたアナール歴史学ならではの問題提起が続く。しかしその中でも、「表象」というカテゴリーを通じて、日常的行為(プラティーク)を浮き彫りにすることが歴史学に求められているというロジェ・シャルチエの提言論文(第7章)は、思想史的なアプローチをとるK.M.ベイカーの視角を彼が別の著作で引き継いでいることもあり、歴史家にとってだけではなく思想史研究者にとっても非常に興味深い内容であろう。また付録の「「社会史」を考える」は、柴田三千雄・遅塚忠躬・二宮宏之という日本のフランス史研究の大物による鼎談であり、非常に面白い。特に、柴田・遅塚がルフェーヴルの解釈をめぐって中々の激論を交わすところに二宮が適切に仲裁に入ったり、柴田・遅塚が因果連関の認識にこだわるところに二宮が「相互連関」の認識の重要性を説くところなど、三者三様の歴史学観が如実に現れている。

  • 1月3冊目。今年初のがっつり学術系。内容は歴史学と人類学(民族学など様々な呼び名はあるが、個人的には人類学が良いかな)の交流をフランスの歴史学者たちがどのようにみているのか、というもの。フランスの歴史学者と言っても、特に「アナール派」と呼ばれる人たちだけどね。内容は難しかった。特に一番最後のロジャ・シャルチエの報告が一番難しく、はっきり言って20パーセントくらいしかわかんなかった。だけど、この先、歴史を勉強する上でどういう視点を持てばいいのか、良いヒントになったと思う。

  • ●構成
    1 歴史認識における座標軸の転換(ジョルジュ・デュビー)
    2 歴史学と民族学の現在:歴史学はどこへ行くか(ジャック・ルゴフ)
    3 歴史家の領域:歴史学と人類学の交錯(E・ルロワ=ラデュリー)
    4 インテルメッツォ ルロワ=ラデュリーに聞く
    5 ヨーロッパ社会の研究における人類学と歴史学(アンドレ・ビュルギエール)
    6 アピール 歴史と社会科学:危機的な曲がり角か?(『アナール』編集部)
    7 表象としての世界(ロジェ・シャルチエ)
    付論 鼎談 「社会史」を考える(柴田三千夫・遅塚忠躬・二宮宏之)
    --
     伝統的な歴史学、すなわち政治史を中核に据えた実証主義的歴史学に対して、20世紀になってから批判的な立場の新しい歴史学が提示されている。例えばアナール学派による社会史・心性史、ウォーラーステインによる世界システム論などである。
     本書は、アナール学派の歴史家たちによる講演録・インタビュー、付録として日本の研究者たちによる鼎談が収録されている。
     アナール学派は、ジャック・ルゴフの言葉を借りると (1)歴史を長期的持続において捉える、(2)日常的物質文化において歴史を考えていく、(3)歴史を表面的な現象に惑わされないでその深層において捉えようとする、といった特徴がある。そしてこの3つの観点から、歴史事象を個別的な事件として扱うのではなく、社会的背景や人々の心性などの個別を取り巻く背後を含めて「全体史」として扱うことを提唱している。そのためには、歴史学単独ではなく社会学・文化人類学・政治学など多分野と連携することが必要と主張する。
     本書は、アナール学派の歴史家自身の言葉でアナール派歴史観を語るものであり、率直な語り口によってアナール派の人類学的歴史学あるいは歴史人類学としての立場を聴くことが出来る。
     現代においてアナール学派は実証主義に否定的であるかのような捉え方をされ、彼らの影響力は縮小しているが、それでもなお彼らの視点は今でも有効であり、意識する必要があるのではないだろうか。
    --
    【図書館】

  • ともかく、フランス史の研究史をまーったく知らないので、なんか
    こう、この本の奥にあるものを全然つかめずに、スカスカ空振りしつつ
    手を突っ込んでいる、という感覚で読んでいました。

    しかしそれでも、「社会史」っていうのがどういう考え方で70年代
    後半くらいからだだーっと出てきたのかは、けっこうわかった気に
    なりました。今まで全然知識がなかったもので。
    にしても、収められている文章は70年代から80年代のものなのだけど
    今読んでもどきっとすることがいくつもあります。

    とくに僕は「政治史」をやっているから、ボロクソに書かれていて
    余計に・・・まあ、政治過程史、あるいは階級史観じゃないから
    いいやと、とりあえずタカをくくってはいるのですが。

    20年あるいは30年近く経ったものなのに読んで面白い、というか
    はっとさせられるような新鮮さを持っているのはすごい。
    2005年になってsex pistolsを初めて聴いて衝撃を受ける、みたいな
    ものだろうか。

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