文学理論 (〈1冊でわかる〉シリーズ)

  • 岩波書店
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感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000268660

作品紹介・あらすじ

文学、映画、新聞、テレビ、広告-「読む」ことと関わらずにいるひとは誰もいない。「読むための理論」を知ることで、これまでとは違った世界が見えてくる!新しい思考のかたちを身につけたいひとに最適の入門書。

感想・レビュー・書評

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  • 「一冊でわかる」と銘打ってあるが、一冊でわかるのは、この一冊だけではわからない、ということだ。
    それはある意味で、最も正しいとも言える。

    もし、これから新たに文学理論を学び始めようと考えて手にするのであれば、しかもこれまでの素地がほとんどないに等しいというのであれば、ひとまずこの本に手を出すのは止めておく方が賢明である。
    しかし時すでに遅く、このピンクの表紙の気安さについつい惹かれてもはや読み始めていたり、はたまた読み終えていたりするのであれば…
    表紙とは裏腹の読み応えに、いささかの消化不良をおこしかけていることであろう。

    その場合、この一冊ですべてを判断することなく、他の入門書もあと1、2冊あたってみると良い。
    少々食傷気味であったはずが、数冊の間を経巡る内に、だんだんと消化されていくことに気がつくはずだ。

    そうして再びこの『文学理論』をみれば、前よりはわかりやすく、タメになることだろう。
    とはいえ、この一冊は他の多くの入門書のように、文学理論の流れや主要な概念を丁寧に説明することはあまりなく、どちらかといえば、全体を俯瞰しそのなかで特に目立っているものをピックアップして提示するだけにとどまる。
    別の言い方をすれば、「ここだけは」というものの「入口」だけを示しているのであり、その意味ではどこまでも忠実な「入門」書なのである。

    つまり、この一冊でわかるのは、重要な入口と入口の重要性なのであって、そこから先については各々がまた個々の理論に当っていくしかない。
    そのような認識を与えてくるのだから、やはり入門書としては誠実だと言わざるを得ない。

  • 本当に手軽なガイド本を期待してたけど、思ったより広いし深いところまで、文学理論まわりのぐるりを見せてくれた感じ。

    ピーター・バリーの文学理論講義と突き合わせておさらいしていきたい。

  • 2003年に購入しつつも寝かされてた本.当時読んでもピンとこなかっただろうが,今なら半分くらいは理解できたw
    文学”理論”とあるように,文学を解釈するに当たって繰り広げられる様々な理論について書かれた本でした.
    蘊蓄的なものとしては楽しめるかも.

  • 読了日 2022/3/22

    図書館で借りた。とてもいい本なので手元に置いておきたい。
    7章あたりから難しくて読むのに時間がかかったが、そこまでは理解が深まる感じがしてよかった。読むタイミングも良かったのかもしれない。

    目次

    まえがき
    謝辞
    1 理論とは何か?
    2 文学とは何か? 文学は重要か?
    3 文学とカルチュラル・スタティーズ
    4 言語、意味、解釈
    5 レトリック、詩学、詩
    6 物語(ナラティヴ)
    7 行為遂行的(パフォーマティヴな)言語
    8 アイデンティティ、同一化、主体(サブジェクト)
    補遺 諸理論の流派と運動
    これから、どうする(富山太佳夫)
    読書案内
    参考文献

  • 37873

  • 【サポートスタッフ企画展示:2018春 ブックリスト掲載本】

    ▼LEARNING COMMONS イベント情報
    https://lc.nul.nagoya-u.ac.jp/event/?m=201804&cat=5

    ▼名古屋大学附属図書館の所蔵情報はこちら
    https://nagoya-m-opac.nul.nagoya-u.ac.jp/webopac/WB01397187

  • 第8章「アイデンティティ、同一化、主体(サブジェクト)」が面白かった。フェミニズム、クイアについても触れている。

  • [配架場所]2F展示 [請求記号]901/C95 [資料番号]2004101627

  • 平易な入門書に見せかけて現代思想の中心命題にもかなり言及しており、細部をきちんと理解するのはわりと重労働。文学理論自体があらゆる学問分野を越境するものだから仕方がないのですが、やっぱり文系の学問というのは、ひとつの専門を取るにしても分野を超えた全般的な知識と理解を必要とするものであり、それができなければ専門性というのも成り立たない気がします。勉強あるのみだとおもった。個人的に重要なのはもちろん7,8章なので、そこを中心に今後は勉強を深めていくつもりです。個人と社会に関する論争は近代哲学と現代思想を隔てるものであり、古くは決定論か自由意思かという哲学的な対立にも繋がるものであり、社会学ではデュルケムとミードの対立なのだと、わたしはおもった。このテーマはわたしにとって非常に重要。とりあえずあとはイーグルトンの「文学とはなにか」で包括的な紹介書を卒業し、セジウィックとかに進んでいきたいなあ、と。

  • 内容はまとまってたし、概ね全体を把握できたような気になれる。
    訳がかなり英語をそのまま訳したような訳で、読みづらいのが残念。

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