ハイチ 圧制を生き抜く人びと (岩波フォト・ドキュメンタリー 世界の戦場から)

制作 : 広河 隆一 
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  • Amazon.co.jp ・本 (80ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000269650

感想・レビュー・書評

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  • この本を初めて読んだのは、確か大学時代のことで、スラム街などが撮影されていて、圧倒的な「絶対貧困」の世界を容赦なく抉り出していたことを思い出します。

    先日、ハイチで大地震が起こる前、NHKBSの深夜ドキュメンタリーの再放送で、ハイチのゴミ捨て場でスカベンジャーとして生計を立てる子供たちを取材した番組を見ていた。僕は前に四ノ宮浩監督の『フィリピン・スモーキーマウンテン三部作』のうち『神の子たち』と『忘れられた子供たち』の二つを見たことがあるのでどうしても僕の中からこういう問題が頭を離れない。

    彼らはトラックから降ろされたごみに群がり、残飯を奪い合っては貪る様子がカメラに容赦なく映し出された。彼らいわく『国連関係の残飯が一番多いんだ』という言葉には唖然とした。ぼくはこの番組と今回上げたこの書籍で、ハイチが世界の中でも最も貧しい国のひとつであることを知った。それからまもなくのことである。ハイチで大規模な地震があったというニュースが流れたのは。

    残酷だな、と思った。なにが、とははっきりいえないけれども、世界はこんなに不条理なんだと思わずにはいられなかった。そんなことをこの記事を書いているさなかに思い出した。

  • 生々しい残虐な写真が多いな。
    ハイチは黒人初の共和国。
    18世紀後半、フランス革命に触発された奴隷たちは自由と平等を求めて立ち上がった。
    奴隷とともにアフリカから由来したのがヴードゥー教。
    貧しいものがいつになっても貧しいのは少数グループの利益を保証した社会システムがあるから。
    1994年、アメリカの介入があったが、ソマリア派兵以降、犠牲者を独りでも少なくしたいクリントンはハイチと関わりが深かったカーター、パウエルらを送った。これでアメリカの無血上陸が保証された。

  • カリブ海で何が起こっているのか、僕らはほとんど何も知らない。アメリカの裏庭といわれ、アメリカにすき放題されている土地、なんだろう。70年代の話ではない。80年代の話でもない。今まさに、ハイチの人々は圧政下にあるのだ。アメリカは、民主主義を信じていない。誰もが、アメリカに従わなければならないと、そう信じている。

  • この人ハイチをずっと撮ってるけど3冊くらいしか出していない。ハイチといったらこの人でしょう。文章と写真には迫力があった。しかしこの人はどうしてハイチが気に入ったんだろうね?人?

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