漱石 心 (祖父江慎ブックデザイン)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000269735

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  •  本は知識を得るものとして、読んでは捨て読んでは捨てているけれど、ずっと手元に置いておきたい本もある。
     漱石の自筆原稿を、誤字もそのままにおこし、見返しには自身が描いた装画を使用。大正3年に朝日新聞に掲載されたそのままのスタイルを守って甦った漱石の「心」。手触りも文体も装丁も、私の大好きな「ザ・本」です。
     
     内容は教科書でも読んだことのあるおなじみのものだが、読み返してみると先生のエゴに改めて憤りを感じる。「やっちまったことは仕方がないぢゃないか。自責の念に駆られていつまでもうじうじと…!挙句の果てに死んでしまうなんてKに対しても奥さんに対しても失礼ぢゃないか。しかも明治天皇崩御に伴う殉職と絡めて自殺の言い訳するなんて男らしくない!」と本人をなじってやりたい。
     そして「私」が先生の何に惹かれて家に通うようになったのか、プー太郎である先生から何を教わっていたのかが疑問として残る。

著者プロフィール

1867(慶応3)年、江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)にて誕生。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、『吾輩は猫である』を発表。翌年、『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。1907年、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50。

「2021年 『夏目漱石大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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