ジェンダー 女と男の世界 (岩波モダンクラシックス)

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  • Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000271356

感想・レビュー・書評

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  • かなり読み応えのあった著書だった。
    今まで、本やネットで目にしたフェミニストや、ジェンダーの認識が変わった。というより、間違えて認識していたのかも…と思えた。
    ドイツ語やフランス語に精通していれば、あるいはこういった外国の学問に精通していれば、もっと理解し得るものも多かったのではないかとは思う。

    これを読む前には福祉資本主義の本を読み、そこでもジェンダーに触れていたが、著者の批判する性差別はそれ(社会に対応した性別による役割分担)ではなく、そういったこと関係なしに、男女の性別のみにより求められる役割が定まり、経済発展や社会の進歩の恩恵も受けられないようになってしまったということ。それを著者はジェンダーと対比してセクシズムと呼ぶ。
    ジェンダーは地域や時代によって様々であるし、男女それぞれが補い合い対等、尊重されるものであった。
    セクシズムは常に男性の補完的役割を女性が行うという構図になり、男は蔑み女は妬むという社会になってしまったという。
    箒から掃除機に代わって便利になっても女性はその恩恵を受ける(解放される)わけではなく、他の家事育児に時間を振り分けることが求められるのみであるという説明は、現代の自分にもよく理解できる事例だった。

    今、そのセクシズムを日本で感じるものー
    結婚する時、同年代であれば男性の収入の方が上回って欲しいと思うこと。男性は女性より低い場合かなりプライドが傷つく人がいるし、女性も自分より多い人と一緒になることに他の女性より優越感を感じる。周りの人も評価のひとつにしているフシがある。

    結婚する時、男性の姓をつぐことが当たり前であること。時代によっては男女問わず長子が継ぐこともあったらしいが。女性姓にすると何か借金など問題があるのではないかと思われることも多い。当然女性の苗字が変わると思われる。

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