ゲド戦記 3 さいはての島へ (ソフトカバー版)

  • 岩波書店
3.64
  • (59)
  • (62)
  • (139)
  • (7)
  • (1)
本棚登録 : 660
感想 : 70
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000280730

作品紹介・あらすじ

大賢人ゲドのもとに、ある国の王子が知らせをもってきた。彼の国では魔法の力が衰え、人々は無気力になり、まるで国中が死の訪れを待っているようだと。ゲドはアレン王子を連れ、見えない敵を求めて旅に出る。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 力が失われゆく世界。
    均衡のために旅立つゲドとアレン。
    魔法使いの力の使い方に学ぶところがたくさんありました。
    でもまだ物語は終わりではない。
    続きが気になります。

  • ゲド戦記第三部。齢を重ね大賢人となったゲドが、偉大な王となる宿命を背負った若き王子と、世界の異変の正体を探るべく旅に出る。
    中心となるテーマは「生と死」。多くの現代人にとって嫌厭の対象でしかない「死」というものに真っ直ぐに向き合い、そこから「生」を色鮮やかに浮かび上がらせているともいえる内容だったと思う。
    世界観としては、ゲドと竜の交流や、王子アレンの背景などからチラホラとうかがえる、緻密なアースシーの歴史設定が、雄大な作品世界の広がりを感じさせて魅力的だ。
    物語の流れとしては、海の旅の冒険感、存在感ある竜たちの描写、明確なラスボスとの対決など、ファンタジーとして非常に読みごたえがある。視点はアレン寄りで進むが、主人公はやっぱりゲド!ラストの満足感にズバリ、「面白かった!」と言って本を閉じたところ。
    当初三部作と思われていたらしく、実際見事な終結をみせるので、ここで終わりでも不自然ではない。しかしオジオンやテナー、アレンたちのその後、さらにアースシーそのものの行く末など気になる部分は残るので、続巻があるのは幸せなことだ。

  • これは 凄い物語だ!
    と いまさらながら 思ってしまいます。

    清水真砂子さんの
    本の評論集、講演録は
    何度も読んできましたが

    そうか 清水さんが
    こんなところに力点を置いていたのかを
    かみしめながら読んでしまっています

    むろん
    訳書ではあるのですが

    単なる偉大な大賢人、すごい魔法使い
    単なるロードムービー的な物語
    には 収まりきらない
    その 奥深さ

    偉大なる魔法使いであるがゆえの
    苦悩 と 謙虚さ と 決断
    が 切なく 尊く 美しい

  • かつて若いゲド自身が教わったことを、今度はゲドが教える立場として語る。
    通して読んでいる人間には感慨深い。
    大賢人ゲドさん。
    偉大なる魔法使いだが、決して無敵ではない。
    無敵であろうとすることはバランスを崩す行いだから。
    だから毎回弱ってる。死にかけてる。
    苦労も絶えないゲドさん。
    でもそれもバランス、調和。

  • 大賢人となったゲドのもとに一人の少年が訪れた。

    少年、エンラッドの王子であるアレンは島々で魔法使いやまじない師たちが魔法を使えなくなっていること、そして魔法の存在が忘れられていること、人々の心がすさんできていることを告げる。

    その言葉を受けて、ゲドは少年とともに世界の均衡を取り戻すための旅にでる。

    生と死について色々語られる物語だったように思います。
    アレンの若さゆえに持つ死に対する恐怖はよくわかります。

    たった一人の魔法使いによってここまで世界の均衡が崩されるというのはとても恐ろしいことではないのかなぁ……
    新たなクモが現れたりしないのだろうか。

    最後の最後、竜のカレシンに乗ってアレンとゲドが戻ってくるシーンは壮観であろうなぁ~
    アレンはその後アースシーの王となるが、ゲドは魔法の力を失って故郷のゴントに戻る。

  • このシリーズを最初から読んでいて今3冊目ですが、一番面白いと思いました。
    現実世界の比喩なのかな、と思いながら読んでしまうので、もっと子供のころに素直に読みたかったな、と思いますが、自分の子供時代を思うと理解できなかったかもしれません。(だから読まなかったのか…)

    • tamtam070513さん
      映画にもなった物語ですが、原作はとにかく面白かった!「大人買い」した父親に借りて、一気に全巻よみました。
      映画にもなった物語ですが、原作はとにかく面白かった!「大人買い」した父親に借りて、一気に全巻よみました。
      2012/08/10
    • ふみさん
      コメント&フォローありがとうございます!
      (私もフォローさせてもらいました)
      ゲド戦記、映画もテレビで見たんですが、全然違うのですね。驚きま...
      コメント&フォローありがとうございます!
      (私もフォローさせてもらいました)
      ゲド戦記、映画もテレビで見たんですが、全然違うのですね。驚きました。
      2012/08/10
  • 3巻が一番好き。主人公がすごい話は好き。その連れが、色んな事に悩んで迷いながらも前に進む力を持って、かつ主人公を尊敬している図も好き。よくがんばりました

  • この3巻までが原作者が当初書こうと予定していたものらしい。ひとまず区切りがついた気分。
    今回は、死への恐怖や壮年を迎えたゲドが未来を担う若者に知恵や人生を教えることで世代継承していく事がメインテーマなのかなと思った。
    大賢人で竜王になっているゲドだけど、ゲドならば大丈夫!と安心して読んでいられるほど、称号が持つ力は強くないと感じる。壮年に至ってまでも人間力が必要とされるのが人生なのだろうな。

    在りし日のゲドのようなアレンの未熟さを描いているのだが、それが似ているけど全く異なるものとして表現されているの人物描写が上手すぎると思う。


    ジブリのゲド戦記が原作者に不評だったのは知っていたけど、個人的にゲド戦記が好みだったからそれはそれでいいやと思ってた。でも、ここまで3巻を全部読んできたら、それぞれの内容とメッセージを無理やり2時間ぐらいの映画にまとめた宮崎吾朗許せん!ってなった。でもゲド戦記は好きなんだけどね笑

  • 前作から一気に大層立派になってしまっているゲト。

    個人的にはもうちょっと成長の過程を知りたかったかなぁ

    次っ‼️

  • 究極とも言えるような戦いを終えたゲド。この先、まだ物語は続くのであろうか?竜の存在がいまひとつよくわからないが、次巻以降で明らかになってくるのかもしれない。

全70件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1929年10月21日-2018年1月22日
ル=グウィン、ル=グインとも表記される。1929年、アメリカのカリフォルニア州バークレー生まれ。1958年頃から著作活動を始め、1962年短編「四月は巴里」で作家としてデビュー。1969年の長編『闇の左手』でヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。1974年『所有せざる人々』でもヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。通算で、ヒューゴー賞は5度、ネビュラ賞は6度受賞している。またローカス賞も19回受賞。ほか、ボストン・グローブ=ホーン・ブック賞、ニューベリー・オナー・ブック賞、全米図書賞児童文学部門、Lewis Carroll Shelf Awardフェニックス賞・オナー賞、世界幻想文学大賞なども受賞。

代表作『ゲド戦記』シリーズは、スタジオジブリによって日本で映画化された。

アーシュラ・K.ル・グウィンの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
奥田 英朗
アーシュラ・K....
伊坂 幸太郎
あさの あつこ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×