- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000284554
作品紹介・あらすじ
「趣味縁」の可能性とは何か。国家でも会社でも家族でもなく、私的な趣味のつきあいのなかに、若者が政治や公共性へとつながる密かな通路があるのだとしたら、それはどのようなものなのだろう。本書は、社会関係資本論を考察の補助線にしながら、近世にまで遡る趣味縁研究の歴史を手がかりに、さらに韓国の若者との比較を含めた調査データを分析することで、この問に迫っていく。
感想・レビュー・書評
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趣味縁が若者の社会参加に繋がるのでは!?というメッセージの提案書、という感じ。答えの提示というよりも一つの考えの入口提示のように感じました。
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図書館より
本のタイトルは若者の気分と趣味縁ですが、それへの理解の助けのために社会関係資本の解説が入っていたり、サークル活動の歴史などに触れられていたり、最終章は若者の趣味縁についての統計があったりと、
ページ数は短めで読みやすい本ながら内容はしっかりと詰まっていたと思います。
江戸時代から浄瑠璃や俳句などの趣味縁の世界では、人々は身分を越えて趣味を通して情報交換をしていたそうです。現代も年齢や立場の違いを通して趣味でさまざまな人がつながっていると思いますが、
身分がはっきりしていた江戸時代でもそういうつながりがあったのかと思うと、人々の趣味とそれを楽しむ同行の士の存在は大きかったのだな、と思います。 -
三葛館一般 367.6||WA
若者の気分シリーズ
和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=61578 -
2014/07/29読了。
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「自分の好きな趣味に閉じこもり、孤立していく若者」という、ありがちな若者像に対抗して、「趣味」を通じた先に、若者たちが社会へとつながっていく可能性を議論した本。
ロバート・パットナムの「社会関係資本」という言葉を手がかりにしつつ、趣味と公共、社会参加へのつながりの可能性を理論的に明らかにする章や、日本における「趣味縁」と公共とのつながりを歴史的に外観する章など、これからの若者の社会参加を考えていくうえでは欠かせない本だと思いました。
ボランティアやNPOなど社会参加に関わっているかたにも、また、逆に趣味で人とつながることに興味のあるかたにも読んでいただきたい本です。