大災害と復旧・復興計画 (叢書 震災と社会)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000285223

作品紹介・あらすじ

日本は大災害と復興の繰り返しだった。幕末・明治以降、大火・水害・台風・津波・震災・戦災などによって、市街地や集落が壊滅的被害を蒙ったあと、どのように復旧・復興計画は立てられ、実施されてきたのか。幕末の大火から関東大震災、日本各地の戦災、阪神・淡路大震災から東日本大震災まで、歴史にさかのぼり、都市計画・復興計画研究の第一人者が明らかにする。明治以降、三度の大津波に見舞われた三陸地方についても、復旧・復興計画の前例を明らかにする。今回の震災被害にかかわる国の復興計画の骨子が明らかになったことを踏まえて、今後のビジョンを示す。併せて首都直下地震への備えを示す。

感想・レビュー・書評

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  • 今回の震災についての記述は少ないけれど、今回の震災については、住民が生活(住宅や働く場)できるようにすることが先決、今回は建築制限が長すぎた…とも。今からでも遅くないので、生活重視の復興スピードアップを願う!

  • 同じことを繰り返しとーる

  • 【配置場所】特集コーナー【請求記号】369.3||K【資料ID】91123522

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    「過去の災害において、どのように復旧・復興計画は立てられ実行されてきたか。歴史をさかのぼり明らかにし、首都直下地震への備えを示す。」

  •   越澤先生は、『復興計画』、『後藤新平』など、復興計画に係るたくさんの本を書かれている。

     この本は、越澤先生から献本いただいた。

     関東大震災などについては、先生の既刊の本の概説になっているので、今回は、先生の今回の復興対策についてのコメントについて考えてみる。

    (1)漁村集落については、集落ごとでの再建を原則とすべきであり、集落内で相談していただけば、自ずといい案がうまれるはずである。(p169)

    昨日、上司と話しをしていて、あれっと思ったのは、上司が、漁村集落は、統合して高台移転すべき、そうでないと、一戸あたりの額が過大になると、ある会議の場で発言したこと。

     自分は、その場では一種の雑談であったので反論しなかったが、極めて違和感を持った。漁村では、地先での漁業は、海をみて生活をしており、海がみえる高台にはうつれても、自分の地先から遠く離れた高台に移転することはありえないのではないか。

     また、戸数あたりの額は、むしろ造成技術の問題で、はなれれば、取り付け道路が長く必要となるので、必ずしも効率的とはいえないのではないか。

     この意味でも、越澤先生のコメントに賛成する。

    (2)建築制限を延長したのは誤りである。(中略)そrだけ、復旧・復興のために判断すべき事柄と時期を先送りしたことになる。建築制限があるため、冷蔵施設の再建が不可能となり、商業店舗の再建の足かせとなっている。(p167)

     この点については、自分はほとんどかやの外だったが、どうして、被災市街地復興推進地域をつかわないのかなと個人的には思っていた。まさに、事業手法、あるいは地区計画などの規制手法などを地元と調整して決定するために、2カ年の期間をかけて、議論をする、その間にも事業仮設などは認める制度として、阪神・淡路大震災の時につくったのにな、とは思った。

     8ヶ月延長してから、被災市街地復興推進地域をかえた区域も多いが、それなら、最初からかければよかったのにとも思う。

    (3)高齢化、零細化の中で現に漁業に取り組んでいる方々の仕事と生き甲斐を確保するためにも、漁業権の統合や民間参入などはもってのほかである。漁業の構造転換は三陸の復旧・復興の目処が立った後で、今から10年後にゆっくり議論をすればよいことである。(p168)

     これも完全に同感である。三陸沖という世界でも有数の漁場を抱えていることから、その漁業の先進国並みの構造転換は必要と考えるが、被災民が苦難をあえいでるときに、することではないだろう。

     そもそも、エコタウンとか、ちょっと東京ではしゃぎすぎだろう。そういう業界の人たちがたくさん、被災地で売り込みをかけているが、まず、生活と生業を復活することが大事。被災民が、自分で稼いで生活できるように、みんなで全力を尽くそう。

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