民衆思想史の立場 (安丸良夫集 第1巻)

著者 :
制作 : 島薗 進  成田 龍一  岩崎 稔  若尾 政希 
  • 岩波書店
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感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000285810

作品紹介・あらすじ

「通俗道徳」論をはじめ、著者の歴史研究の基軸をなす「民衆思想史」に関する代表的な論考を収める。

感想・レビュー・書評

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  • 安丸のいう「通俗道徳論」に替わる近代化論というのは依然として存在せず、今でも十分議論の俎上に上らせるべき議論であるなということを再確認した。

    気になるのは、そのほかの近世における様々な研究潮流との関係で、例えば「仁政イデオロギー」とか「地域社会論」とかいったものと、「通俗道徳論」はいかなる関係にあるのだろうか、ということである。

    近代化についてもっとも簡潔に述べているのは、304ページの以下のことばである。「より実態的にいえば、近代化とは、家父長制な家を単位とする広範な人びとの自立・自律過程として規定しなおさるべきものである。「通俗道徳」は、こうした自立・自律にふさわしい論理で、この規範を通して醸成された厖大な人間的活力が近代化を支える根源的エネルギーとなった、という展望をもつことができる」(「通俗道徳」のゆくえ、1999年)

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著者プロフィール

一橋大学名誉教授・故人

「2019年 『民衆宗教論 宗教的主体化とは何か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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