- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000286114
作品紹介・あらすじ
グローバリゼーションにより、大学は近年、従来の教育・研究活動、また社会との関係について再考を迫られるようになった。学生の国境を越えた移動と大学教育の輸出入の拡大、就職市場のグローバル化、知と大学の関係の変化、外国語教育の新たな展開、デジタルメディアの影響等、激変する環境への大学の対応と模索を論じる。
感想・レビュー・書評
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職場の上司に「大学図書館で働く上で、大学を取り巻く状況を知っておくことも大切」という言葉とともに手渡された本書。
グローバリゼーションの進展する現代社会の中で、これからの大学のあるべき姿をさまざまな側面から考察しています。
今後の社会で求められる人材や、英語教育の在り方、大学の活動が空洞化するリスクなどなど、大学が直面する現状と課題について学ぶことができました。
特に刺激的だったのは「第6章 デジタル・メディアによる大学の変容または死滅」。
著者の土屋俊氏は、米国のMOOC(大規模オープン・オンライン・コース)など、インターネットを通じて無料で提供される高等教育に注目しています。
こうした無料かつ高品質な教育形態が持続可能なものであるならば、これまでの教室授業中心スタイルの大学は終焉をむかえるであろうという考察に衝撃を受けました。
近未来の大学のあるべき姿はどのようなものか、その中で図書館の果たす役割とは…。
中長期のビジョンを意識しながら、日々の業務に取り組みたいと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB11965983 -
昨今新聞等をも賑わせている「グローバル人材」「グローバルリゼーションと大学」「国際共通語としての英語」などについて、意外にスルーされて来た「で、そもそもそれって何なの?」ということを問い直すところから始めており、一部荒削りな議論も見受けられるけど各章の執筆者の熱さが伝わってくる印象を受ける。
ちょっと難しい面があるかもしれないけど、そういう意味合いも含めて大学人よりむしろ一般市民に読んで欲しい本かな。