海女はわかるんだが、遊女とか詐欺師って、それ職業か?
もっと職工やら商人やら医師やらあったと思うんだが。著者たちの単なる興味で選んだような感じ。分析もゆるい。
そもそも古典のなかの仕事観といっても、まともに汗して労働したことがない学者ふぜいが仕事を語れるわけがない。世阿弥の花伝書は人生の心構えとして読み応えあるが、別にそれは特定の職業に限ったことではない。
商人の家には商屋家訓みたいなものがあるし、職工に関する本、例えば仏師や大工棟梁も探せばあるはずなのだが、ここでいう古典というのが、「教養ある人の読める文学」程度でしかないために選書が間違っているとしか思えない。
読むとおもしろい記述もあるが、タイトルにかなった分析の本ではない。