原典でよむ 日本デモクラシー論集 (岩波現代全書)

制作 : 堀 真清 
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000291064

作品紹介・あらすじ

『大言海』に曰く、民主主義とは「でもくらしいニ同じ。…所謂下剋上ト云フモノカ」-人びとは民主主義とは何かを問い、その実現を求めて格闘した。福沢諭吉から日本弁護士連合会まで、多様なテーマの原典三三篇をよみときながら、日本社会に刻まれてきた民主主義への志向を俯瞰し、その標高と裾野を示す。

感想・レビュー・書評

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  • 決して時系列に並べたのではありません。
    柳田国男「青年と学問」(1925年)を最後に持ってこられたのも編者の気持ちを表しているのでしょう。
    およそ100年も前の思想家から、現代も健在な思想家まで読んでも、どうしていつも同じ「教訓」ばかり並ぶのだろう。
    世の中は少しも変わらない。
    人間はいつまでたっても変わらない。
    政治はいつまでも閉塞状態。
    いつになれば・・・・・と思わせてくれる本です。

  • 堀真清編『原典で読む 日本デモクラシー論集』岩波書店、読了。福澤諭吉から東日本大震災への提言まで。自由民権、女性解放、戦後民主主義とアジアとのかかわりなど、近代日本における民主主義の探究とその格闘を俯瞰する。原典33編を収録。危機的現在において、非常にタイムリーな一冊。


    1・福澤諭吉、植木枝盛、中江兆民、二葉亭四迷、田中正造、2・与謝野晶子、伊藤野枝、水平社、住井すゑ、3・吉野作造、美濃部達吉、石川三四郎、4・渡辺一夫、伊丹万作、加藤哲太郎、5・矢内原忠雄、大山郁夫、丸山眞男、大宅壮一、6・竹内好、石母田正、和田春樹、池明観、寺田寅彦、大江健三郎、隅谷三喜男、水上勉、7・原田正純、柳田国男、日本弁護士連合会、の文章を収録。

    1抵抗・自由・民権、2女性解放・差別との闘い、3軍国主義批判・暴力批判、4戦争と責任、5戦後民主主義から55年体制へ、6アジア、7さらなる課題(※震災、米軍基地、核、水俣など環境倫理等々) のテーマで構成。

    「臣下意識を露呈して喜色満面の『未曾有』首相を戴いたばかりの日本である」。本書で示される先人の思索と抵抗の「紡いできた民主主義論はおのずから系譜をなし、さらに広い地平、より高い尾根をめざして前進する者を鼓舞してやまない」。

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