笑い脳――社会脳へのアプローチ (岩波科学ライブラリー) (岩波科学ライブラリー 166)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (120ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000295666

作品紹介・あらすじ

人はなぜ笑うのか?笑いは本当に健康によいのか?ジョークで笑うにはオチが必要?「ゲラゲラ」と聞くだけで脳は活性化する?「ゲラゲラ笑い」と「微笑」に隠された違いとは?豊富な実験事例から、謎に満ちた笑いのしくみを解き明かす。コミュニケーション手段としての笑いを切り口に、話題の「社会脳」研究の新しい扉を開く。

感想・レビュー・書評

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  • 人が笑った時、脳内はどのようになっているのでしょうか?本書は、脳内での笑いのメカニズムと、そのポジティブな心のはたらきが、人にどのように影響するのかを紹介する本です。脳のはたらきを調べる際には、動くと失敗してしまうため、実際に「笑う」ことはできません。「ゲラゲラ」という擬音を聞かせたり、笑えないのに「ジョーク」を聞かせたりと、変わった実験をしています。笑いが生む良好な人間関係についても研究されている、興味深い内容の1冊です。

  • ふむ

  • 笑に関する研究がわかりやすく概観できる。最近の研究例なども紐解いて、社会の中で笑と脳の働きを絡めた非常に読みごたえがある内容で、興味を抱かせる。他の本も読んでみたくなった。

  • うーん、なんちゅうか、漠然とした感想なのだがもうちょっと踏み込んでほしかった感じ。せっかく面白そうなテーマなのに、ちょっと頭に残りにくい。

  • k

  • 2014以降

  • 三葛館一般 141.6||OS
    みなさんは、笑ってらっしゃいますか?日常生活において、意識して笑うというのは大人になればなるほど難しいことなのかもしれないですね。
    本書では、健康やコミュニケーションに良いとされている「笑い」を、実験を通して科学的に検証しています。
    ジョークで笑うにはオチが必要なのか?「微笑」と「ゲラゲラ笑い」の違いとは?
    切り口は科学ですが、これを読めば昔から人々を魅了し、癒してきた「笑い」の力に改めて驚かされます
                                  (うめ)

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=57104

  • 笑いについて、脳科学と人文社会学(心理学)の視点から分析している。
    笑い、が起こるのには様々な脳内の部分が働いており、驚きだった。
    また、笑いは空気を吐いたり吸ったりする相互作用から生まれる。この事から横隔膜が笑いの生みの親であり、笑いは言語の原初である、といった説もあることをしり、とても興味深い内容であった。

  • 笑いをワーキングメモリーの点から見ていて面白い。オチで笑うには、それまでの話の内容を一時的に記憶してなきゃいけないっていう話。

    後、笑いは予想をして、その予想が裏切られたとき、かつ、裏切りにルールがある場合に落ちになるという説明になるほど。。。と。

  • 笑いを脳の研究とリンクさせようとしている人がいる。脳から考えると、笑いって相当レベルの高い話のようだ。

  • 「笑い」とは何か: 笑いは「期待とのズレ」から生まれる。(予定”不”調和のおもしろさ? )
    くすぐり実験、文化差と年齢差、古代ギリシャの笑いと文化、ユーモアと健康、笑いは痛みの特効薬か?、教育と記憶力への影響、ワーキングメモリとオチ、オチを理解するには、ジョークとオチのプロセスーサルスの実験、シャーミとスタースの実験、「期待」と「予測」、期待とプライミング効果、脳からみたタイトルの役割、笑いの理論、寺田寅彦の「理由なき笑い」、ジェームス・ランゲ説、
    笑いと報酬系: オチやズレの理解がワーキングメモリとかかわる。その理解による笑いは報酬期待とむすびつく。自己報酬系.....
    笑いと脳の基礎、情動・知性とかかわる脳、脳の視覚システム、自己報酬系とは何か、自己報酬系の発見、笑えないfMRI、「ゲラゲラ」で脳も笑うのか?、マンガによるモップスたちの実験、ゴエルとドーランの実験、笑いと自己報酬系、病的笑いと脳のはたらき、
    社会脳へのアプローチ: 理系の「生物脳」研究と文系の「社会脳」研究.....
    社会脳とは何か、社会脳研究の動向、社会脳研究の誕生、笑いと微笑と、日本人の微笑み、笑いの伝播、「生物脳」から「社会脳」へ、笑い脳から見えてくること、
    コラム: 呼吸と神様、関西笑い学会、擬音語と擬態語、

  • 実験から導き出された笑いから社会脳へのアプローチが順路だててかかれていて笑いというものの考察がわかりやすかった。実験の引用が参考になった。

  • ①概要

    笑いの構造を科学的に。

  • ジョークとオチのプロセス(サルスSulsの実験)
    サルスの笑いの2段階モデル
    ジョークやマンガの聞き手や読み手の予測は、結末部分や最後のコマのセリフで裏切られる(不一致との遭遇)。これが第一段階の認知過程。第2の段階では、聞き手や読み手はある認知的ルールを見つけることで、問題の解決をはかろうとする。ジョークからオチを生み出す根拠であり、予測とのズレを説明するルールだ。段2段階では冗談の主要部分にそってオチを導く認知的なルールを見つけ出し、不一致部分を解消する。ジョークやマンガがおもしろいと感じられるのは、二段階のプロセスの結果、第二段階を問題解決過程ととらえている。ユーモアを楽しむには不一致とその解消(解決)が必要だと考える
    第一段階では情報の不一致に不意に出くわし、第二段階では冗談の主要部分にそってオチを導く認知的なルールを見つけ出すことが求められる


    期待とプライミング効果
    プライム単語として「赤」を提示し、数秒後にターゲット単語として「消防車」とか「通り」などを提示し、ターゲット単語が意味的に全く無関連の「通り」の場合より「消防車」の方が短くなる。プライム単語と意味的関連がある(つまり、プライム単語がいわば文脈の役割を果たしている)単語の方が、反応が早いのである。「通り」の場合は関連性がないので「消防車」よりも遅くなるが、N400は逆に「通り」のような予測していない単語の出現によって顕著にあらわれる

    ジエームズ・ランゲ説
    笑うからおかしい


    笑いの理論
    優越理論 プラトン
    不一致理論
    不一致解消理論
    解放理論

  • 笑いと脳の関係を心理学yの立場から書いた本。

    ポイント
    笑いというものは「期待とズレ」から生まれる。
    ズレ=不一致⇒オチ

    微笑み=憂いなき顔。西欧ではもともと、抑制された笑いと解釈されていた(あまりいい意味ではなく)が、文化、芸術、悟りに触れ共感し憂いを癒した結果との見方も。

    笑いの伝播=ミラーシステムによる共感の身体表現

  • 笑いは呼吸という人が生きる生命の根源にかかわり、呼吸が自然の生命ともつながることから、必然的に神事ともかかわることになる。
    笑い、ユーモアがエンドルフィン、サイトカインを高めるから健康にとても良い。
    ギリシャ語で笑いをゲラオというらしいが、ゲラゲラ笑うのはここから来たのか?

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著者プロフィール

京都大学・大阪大学 CINET

「2018年 『社会脳ネットワーク入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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